花札

 

花札
 

一月
松に鶴
正月なので、おめでたいものを並べた。
松 祭木(まつりき)の略
常緑樹で冬でも緑なので永遠の若さのシンボル。
  葉が二本くっついていて、夫婦仲の良さのシンボル。
鶴 吉祥、長寿のシンボル。
風切羽と首が黒いのでタンチョウに似ている。
丹頂の丹は赤、頂は頭頂。
この絵は頭が全部赤いので『丹頭』?
二月
梅に鶯
春を告げる梅の花と春告鳥を並べた。
梅の花は五枚。福、禄、寿、喜、財の五福を意味する。
鶯は青柳の糸で梅の花を縫って笠を作るという言い伝えがある。
姿勢が水平でない。
眉斑がない。
過眼線もない。
色も違うし、ウグイスらしい特徴がどこにもない。
メジロに少し似ている。
四月
藤に不如帰
夏の到来
藤波の 咲き行くれば ほととぎす 鳴くべき時に近づきにけり』
(藤の花が咲くのを見ればもうすぐホトトギスの鳴く季節だな)
万葉集。
 
『ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば ただありあけの 月ぞ残れる』藤原実定
赤い月も描かれ、夜の情景。
ホトトギスは夜も鳴く。
下面の横斑は似ている。
八月
薄に雁
ススキは秋の七草の一つ。
雁も秋。 
翼が短い。頭が赤いけど、、、だれ?
十一月
柳に燕
柳に小野道風
柳に飛びつく蛙と書家小野道風
浄瑠璃『小野道風青柳硯』で、柳の枝に飛びつく蛙から。
柳に燕
頭と尾が赤く描かれている。
体は黄色く描かれている。
ツバメに似ていない。フウチョウのような尾。
ツバメがなんで十一月?
『雨の中の浪人』が『小野道風』に変化、雨と柳が同一視され、吉祥木である柳に合わせ、吉祥鳥の燕が組み合わされた。
十二月
桐に鳳凰
桐の花期は5~6月
『きり』は「限り」を意味する「切り」で、古代からある和語。
天正カルタで最終の12枚目を『キリ』と呼んでいたので、同音の桐を12月に持ってきた。
鳳凰は桐の葉に降りるという言い伝えがある。
(本当は梧桐あおぎりアオギリ科、桐はノウゼンカズラ科)
鳳がオス、凰がメス
鶏に顔が似ている。
目が横長で人のよう。
キトラ古墳で有名な『朱雀』は赤い鳳凰か。