カワセミ

 

カワセミ
 

♂成鳥は上下黒、♀成鳥は下が赤。
 
♂成鳥で下嘴の基部が赤みがかるものや、♀成鳥で下嘴の大部分が黒い個体も観察されている。
 
繁殖期に嘴の内側が赤くなる。
 
巣立ったばかりの幼鳥では上下黒で短い。先端白。
320度まわる
脚は短く、趾の基部が癒合している。
巣穴を掘るときに趾が離れると掘りにくいが、癒合していれば掘りやすい。
巣穴が大きすぎると天敵に襲われやすくなるが、短い脚なら体とほぼ同じ大きさの穴を掘れる。
(モグラも全ての指が癒合している)
趾は三本
そのうちの二本が癒着し、全体として二本しか機能していない。
ペリット
2×1cm
雛は産座から入り口に向かって飛ばす。
液状なので、親は処理できず、垂れ流し。
ペア
2~3月、繁殖期に入る。
冬の間単独で守っていた♀の縄張に♂が侵入。求愛行動。
初め♂を攻撃していた♀が受け入れると、水面近くを二羽で激しく鳴きながら求愛飛翔。
場所
川辺に有る赤土の露出した所。
垂直またはオーバーハング
入り口の直径
6~9cm
奥行き
0.5~1m 奥に行くほど登り勾配
産室
一番奥  
産室が完成するまでは尻から出てくるが、産室が完成すると方向転換ができるので、頭から出てくるようになる。
ペリットを吐き出し、産座にする。
 
抱卵中や雛が小さい内は,産室で向きを変える。
雛が大きくなるとバックして出てくる。
巣穴は、毎年同じくらいの高さに作る。
これは一番上の表土は固いが、その下は軟らかく、さらに下には粘土があり、
       土が軟らかく、巣穴を掘る労力と時間が節約できる。
       上に締まった土があるため、雨水がしみこみにくい。
       毛細管引力が弱いので、地下水が上昇しない。
       多孔質なので、温度変化が少なく、卵や雛を保護する。
       雛が出す液状の糞が吸収されやすい。
抱卵
18日
雌雄で暖めるが、昼はオスが長く、夜はメスだけ。
朝5時と夕方6時の交代は正確。
一日6回交代。
ヒナ
孵化直後のヒナには8mm位の小魚を与える。
硬くて消化の悪いザリガニを与えることはないので、繁殖には小魚が不可欠。
餌をもらったヒナは尻を巣の入り口に向けて糞をする。
その後、他のヒナの後ろに移動するので、全員がほぼ均等に餌をもらえる。
孵化後、23日で巣立ち。
(地上に巣を作るヒバリは10日で巣立ち。)
巣穴は安全性が高いので、充分成長してから巣立つ。
 
孵化直後3gだったヒナは一時47gにもなる。(親34g)
一羽平均227匹の餌
第二繁殖
条件が良ければ年二回繁殖する。
同一巣穴を再利用する場合と、一回目の育雛中に新しい巣穴を掘り始める場合がある。
二回繁殖した場合、一回目に生まれた雛がヘルパーとなり、餌を運ぶ例がある。

 

北海道では冬鳥。
これは北海道の川や池は冬には凍ってしまい、魚が獲れないから。
凍らない川もあるが、それは流れの速い川。
体重の軽いカワセミは流されてしまう。
体重の重いヤマセミは流されないので北海道でも留鳥。

 

カワセミ科
三亜科に分類される
カワセミ亜科
ヤマセミ亜科
ショウビン亜科

 

 
全長(cm)
足根跗蹠骨(mm)
カワセミ
17
9
アカショウビン
27
17
ヤマセミ
38
14

ヤマセミは足が短い
 

カワセミ
メスはオスよりも鮮明さや美しさが劣る。
アカショウビン
メスは色が淡い。
ヤマショウビン
メスは首や胸が錆び色を帯びる。

 

 
カワセミ
ヤマセミ
飛び込み
垂直のみ
斜めも
水中を斜めに潜るには体力が必要。
また、水の屈折率の補正も必要。
北海道
夏鳥
留鳥
冬は川が凍り、凍らない川は急流
小柄なカワセミでは狩りができない。

 

ヤマセミ
体重     280g
骨の重さ 40g
羽の重さ 22.5g(体重の8%)
亜種 北海道産の亜種エゾヤマセミC.l.pallidaはやや小さい
巣の入り口の大きさ 縦11~18cm  横12~22cm
巣作り 早朝と夕方が多い 10日間
     始めはオスが中心、産座はメス中心。
抱卵は♂が7割、♀3割、夜も♂が主。
給餌  始めはオスが主に与え、終盤はメス中心
アカショウビン
ホバリングはしない。
瞼には白い羽毛が生えている。
ブッポウソウ
指が癒合しているので、地上を歩いたり、枝伝いに歩くことはできない。
翼は長く、空中生活に適している。
曲芸的な飛行も可能。
ヤツガシラ
冠羽が特徴的。
冠羽を寝かせた状態から立てるときに、羽を90度回転させる。
雌のみ抱卵、雄が雌に給餌。
順次抱卵
70g(雌やや小)
ヤマショウビン
さえずりはキョロキョロ
ワライカワセミ
体重410g メスが大
年上の兄弟がヘルパーとなる。
夜明けと日暮れ時に大合唱するので、『田舎者の時計(bushman’s clock)』と呼ばれることも。

 

翡翠
『翡』の『羽』は当用漢字でないので旧字のまま。
『翠』の『羽』は当用漢字なので新字の『羽』が使われた。
翡は赤い羽 ♂
翠は緑の羽 ♀
カワセは中国語で翡翠。
その後、赤と緑二色のヒスイを翡翠玉と呼んだ。
いつしかヒスイ全てを翡翠と呼ぶようになった。
中国語の発音『フェイツイ』
かはせみ
旧仮名遣い
『はと』の『は』は頭にあるので『はと』と発音するが、
『かはせみ』の『は』は二文字目以降なので『かわせみ』と発音。
halcyon
ハルシオン
冬至の頃、海上に浮く巣で雛をかえし、魔力で波を鎮める。

 

ドイツ語名アイスフォーゲルeisvogel氷の鳥
背中の青色アイスブルーから。
古ドイツ語の『schillern(玉虫色に輝く)』、『glanzen(輝く)』を意味するeisanから。
Eisen鉄から(背の色が鋼青色)
Eis(氷)から。