日本鳥類目録6版 (鳥学会)では Phasianus colchicusと、
アジアからヨーロッパのものと同種とされている。
クレメンツのリストではPhasianus versicolorと、日本固有種 |
国鳥 |
日本の国鳥を選定する際、
理由の一つが『狩猟鳥として親しまれている』
国鳥を狩猟対象としている国は日本以外には無い。 |
キジ目 |
樹上性から地上性へ進化。
地上性に関連し、外敵も多く、多卵性となる。 |
羽ばたき |
胸の筋肉には毛細血管が少なく、
必要な酸素が素早く供給されないので、
短時間しか飛べない。 |
後羽 |
体羽と綿羽には羽軸から派生した後羽があり、
保温に役立つ。 |
距(けずめ) |
一部のキジ目のオスに生じる骨状突起。
脚の後内側面に発達。
(キジ、ニワトリ、クジャク、シチメンチョウなど)
闘争に使われる。
メスにも稀に生じる。 |
繁殖 |
メスはオスのテリトリー内に入り交尾をすますと、
別のオスのテリトリーに行く。
オスは巣には関与せず、巣を守るのはメスの役割。 |
キジ、ヤマドリ、ライチョウは、
巣作り、抱卵、育雛の全てをメスが行う。 | |
補充産卵性が強い。 |
キジの声 |
ケーン、ケーン |
縄張り宣言 |
ケッ、ケッ、ケッ |
警報鳴き
他の♂に対して、自分の縄張りに入らないように警告。 | |
ケーケーケー |
敵対鳴き
縄張りに侵入した♂に対して『俺の方が強いぞ』、『攻撃するぞ』 | |
チョケーン、チョケーン |
飛翔鳴き
飛行中の鳴き声。
上空から威嚇する意味も。 |
地震 |
鳥の脚の脛の所には震動を敏感に感じる細胞(ヘルベスト体)
があり、地面の震動をいち早く(数秒)感じる。 |
ウズラ |
キジ科中、真の渡りをする唯一の鳥。
寒さに弱いので冬に移動する必要がある。
キジ科は一夫多妻か乱婚が多いが、
ウズラは一夫一妻 | |
体重 |
91g | |
心臓 |
0.76g | |
肝臓 |
1.60g | |
筋胃 |
1.58g | |
脾臓 |
38.91mg | |
精巣 |
2.77g |
コジュケイ |
オスには距がある。(メスにも稀に存在する) |
ヤマドリ |
中国から日本に入って特化した種。
盲腸が発達。70cm
キジの三倍。キジよりも植物食が強い。 |
キジ |
メスには時に雄化羽毛が出る。 |
秋冬はオス同士、メス同士で別々に群れを作って行動。 |
ライチョウ
英名 |
ターミガン |
ライチョウ属 |
冬に白くなる
冬には趾が完全に羽で覆われる。
上尾筒が尾の先端まで伸びている。 |
グラウス |
オオライチョウ属
アオライチョウ属
エリマキライチョウ属
キジオライチョウ属
ソウゲンライチョウ属
エゾライチョウ属 |
冬に白くならない
|
ライチョウ |
高山に一年中留まる日本唯一の鳥。
北ア、南ア、乗鞍岳、御嶽山などに棲息。
DNAでは、南アだけ遺伝的距離が遠い。
生息数約3,000羽
中央アルプスにも棲息していたが、駒ケ岳ロープウェーが架けられてから姿を消した。
富士山、金峰山に放鳥したこともあるが、10年ほどで絶滅。
外国では狩猟鳥なので警戒心が強いが、日本のライチョウは人を恐れない。
世界23亜種
日本のライチョウは最南亜種(L.m.japonicus)
最も近い他亜種とは1,600km離れている。
縄張りの平均は直径183m
体型
丸い体型で体積に対して表面積が小さい。
体温の喪失を防ぐ。
足指
冬羽では白い羽毛が足指裏まで生え、防寒と体重分散の働きをする。
嘴
凍りついた雪の下にある餌を掘り出すため、太く、先はカギ型にとがっている。
肉冠
眼の上に肉冠と呼ばれる赤い皮膚が裸出する。
オスが興奮すると大きく広がる。
鼻孔
羽毛に覆われている。
氷雪で凍りついて穴が塞がるのを防いでいる。
羽毛
羽軸が二本に分岐し、二重構造。(分岐羽、後羽)
キジなどのグループでも知られるが、さらに大きく密で、空気の層ができ、体温の放熱を防いでいる。
夏羽、秋羽、冬羽がある。
春にはメスは繁殖のためオスより早く換羽する。
尾羽
雌雄共一年中黒い。
盲腸
長さ40cm
体重がライチョウの二倍の鶏は12~15cm
体重比では最も長い鳥の一つ。
体重の二割、100gが盲腸。
細菌消化
盲腸が二つあり、繊維素を分解する細菌がいて、栄養分を摂取する。
鳥類で唯一セルロースを分解できる。
盲腸糞
通常の糞とは別に盲腸糞を排泄する。
一日に1~2回
抱卵糞
雌は抱卵期にほぼ一日中巣内に留まり、巣外には朝夕二回、各30分だけ採食し、糞をする。
この時期の糞は特別に大きく、普通の10~20倍。
終腸糞
冬や春先の糞。
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産卵直後の卵の重さ |
25.0g | |
孵化三日前の卵の重さ |
20.3 | |
孵化直後のヒナ |
18 | |
孵化後五日目 |
20 | |
孵化後十日目 |
40 | |
孵化後二十日目 |
80 | |
産卵
一日置きに6~7個 | ||
メス
抱卵中の食事は一日二回。
普段の2~3倍の速さ。(長時間離れると卵が冷えてしまう)
巣に戻るときは巣が見つからないように、遠回りする。 | ||
オス
雌が抱卵中には巣の警戒を行うが、雛が誕生する頃に家族から離れ、他の雄などと暮らす。 | ||
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雛
孵化するのは梅雨の終わり頃。
雛は母親に抱いてもらわないと体温を維持できない。
しかし親の下から出ないと餌は食べられない。
冷たい雨が続くと、餓死するか凍死するかぎりぎりの選択。
一冬越せるのは2~3割。 |
エゾライチョウ
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他のライチョウ類は危険が迫るとうずくまるが、エゾライチョウは飛び去る。
最も木に止まることの多い種。 | ||
最も小型のライチョウ。 | |||
希少種に指定されているが、狩猟対象種。 | |||
繊維質の多い食物を食べるため盲腸が長く、二本ある。
種子を主食とするキジ科鳥類の二倍。(体重比) | |||
体重 |
♂ |
364g | |
♀ |
384g | ||
孵化直後の雛の体重 |
11.4g | ||
声 |
周波数6.5~8kHzと高い
ホイッスリングとも言われ笛に似る。 | ||
筋胃(長径) |
32~41mm | ||
小腸 |
610~700mm | ||
盲腸 |
266mm | ||
大腸 |
73~90mm | ||
抱卵 |
抱卵期の採食は6時と18時に30分 | ||
摂食量 |
雄 |
冬に多く、夏に少ない | |
雌 |
産卵期に多く、抱卵期に少ない |
ミカドキジ |
1905年当時台湾は日本領土だったので、美しいこの鳥を、天皇を意味する『帝(みかど)』と名付けた。
学名ファシアヌス・ミカド
英名ミカド・フェザント |
ツカツクリ |
数日の間隔で産卵。
全卵産み終わるには3~4ヶ月を要する。
一シーズン十数個~30以上。
オスは嘴で温度を測り、巣上の枯葉の量を調節し、
巣の温度を33.5度に保つ。
孵化までに50日以上を要する。
砂中埋卵性は、爬虫類から受け継いだ?
ヒナは卵を嘴ではなく、脚で割る。 |
ツメバケイ |
一応 キジ目ツメバケイ科(ツメバケイ目、カッコウ目説も)
ヒナは翼の肘から二本の爪を持ち、
飛べるようになる頃に消失(孵化後二週間以内)
植物しか食べない。
そ嚢が極端に大きい。(体重の1/3)
声が多種に及ぶ。
体からはジャコウのような体臭を放っている。 |
烏骨鶏
(ウコッケイ) |
メス800g
卵40g
足指が五本。(前3本、後ろ2本、まれに3本)
普通の鳥と違い、正羽を持たない。
皮膚、肉、骨までメラニン色素が沈着し黒い。 |
鳥類では神経胚の神経冠から色素芽細胞が神経冠から外周部の背側路を経由して体側表面全体に移動する。
ウコッケイでは多くの色素芽細胞が体内の背腹側も移動して、腹腔膜や体内臓器にも定着する。 |
卵の重さ(g) |
ヤマドリ |
32 |
キジ |
28 | |
ライチョウ |
23 | |
エゾライチョウ |
19 | |
コジュケイ |
13 | |
ウズラ(家禽) |
11 | |
ウズラ |
8 |
発信機 |
28gの発信機をキジのオスに装着。
体重897g以下のオスの成長、生存率に影響があった。 | |
体重の2~3%の発信機がキジに最もふさわしい。 | ||
装着方法によって行動圏面積が異なる。
背負法ではキジは捕食されやすい。 | ||
装着方法 |
背負法 |
17アール |
首輪法 |
38アール | |
尾挟み法 |
58アール |