オシドリ

 

オシドリ
 

1925年の狩猟法改正では、鴨で唯一狩猟鳥から外れる

 

 
オシドリ夫婦
仲が良いからぴったり寄り添うのではなく、他の♂に横取りされないようにつがい相手から離れず、結果的に寄り添っている。
♀が猟師に撃たれても♂が逃げないこともあり、♂は♀に対して執着心が強い。
抱卵期の初期を終えると♂は巣を離れる。
雛の世話は一切しない。
その後、♂は♂同士きままに過ごしたり、元気な♂は、別の♀に求愛することも。
毎年ペアを代える。
(留鳥性の個体群では雌雄の結びつきが強め)
雁や白鳥は夫婦で子育てし、一生連れ添う。

 

他のカモ類と違い、爪の湾曲が大きい。
後趾が発達しているので樹によく止まる。

 

イチョウ羽
三列風切の最も内側にある扇状の羽。(第一三列風切)
内弁の羽枝を長くして飾り羽を形成している。
飛ぶと水平になり、目立たなくなる。
想羽(おもいばね)とも言う。
拾うなら6月がねらい目?

 

オシドリ属
アジアのオシドリと北アメリカのアメリカオシがいる。
胸のブドウ色、その端の黒白帯、脇の淡褐色の連斑は共通。
骨格、行動、習性、血清反応、卵白分析から両種は同系。
アメリカオシが先で、
アジアに渡って孤立したものがオシドリ。
 
染色体の型はアメリカオシはバリケン属に近く、
マガモ属などとも共通だが、オシドリの染色体は特別。
そのため、アメリカオシは他のカモと交雑するのに、
オシドリは決して雑種を作らず、
アメリカオシとオシドリも、番になっても雑種はできない。
 
アメリカオシは特定のメスと番いを保つが、
オシドリはオスが集まって誇示し合い、
特定のメスを対象としない
ナンキンオシはオシドリ属ではない(マメガン属)。

 

繁殖
多くは樹洞で営巣。稀に地上。
巣の選定は雌が行うが、常にオスがついてまわる。
産座にはメスの綿羽を敷く。
樹の洞(普通10m以上の高さ)に巣を作るため、
孵化したヒナはそこからダイビングしなければならない。
樹洞は巣の底から入り口の穴まで深いものでは1m以上。
雛は爪が発達しているので巣穴まで登れる。