消化器

 

消化器
 

消化吸収能力は、哺乳類に比べて劣るが、消化時間は短い。
消化の良いものを食べるので利用率は高い。
鳥 33%利用 (哺乳類 10%)

 

食道
右に寄っている(哺乳類と逆)
急に餌を詰め込めるよう大きく伸びて膨らむことができる。
嗉囊
(そのう)
環形動物、昆虫類、軟体動物、鳥類などに見られる。
消化管の一部で、食道に続く部分が膨らみ、食物を一時蓄えられる。
消化液は分泌されないが、唾液やバクテリアなどの作用で、
有る程度の軟化作用が認められる。
天敵が来る前の短い時間に多くの餌を摂取しておき、安全な場所でゆっくり消化できる。
なし
昆虫食の鳥、フクロウ
膨らんでるだけ
魚食性の鳥
単嚢
肉食性、穀物食性の鳥
左右二嚢
ハト
そ嚢の無い鳥では前胃が発達している。

 

前胃
(腺胃)
科学的消化
消化液を分泌(pH0.2~1.2)、混ぜ合わせる。
ペプシンは骨を消化する。
魚食、果実食の鳥で発達。
嗉囊のない鳥で発達。
キツツキ類では膨大
砂嚢
(筋胃)
(砂肝)
機械的消化
強力な筋肉と砂などですりつぶす。
穀物食の鳥で発達。
昆虫食、果実食の鳥では痕跡程度。
砂のうの中の小石は磨り減ると、糞と共に排出される。
収縮時間はニワトリで一回20秒。
一分間に2~3回繰り返される。
胃壁は厚く、内部は狭い。
 
他に砂嚢を持つのはミミズ、ザリガニ、恐竜、ワニ。
トカゲ、亀、蛇には無い。
鳥類とワニは系統的に近い生物。
ワニのような爬虫類から恐竜が分化した。
幽門胃
 
第三の胃
コウノトリ目、ペリカン目

砂嚢の小石の大きさはドバト3mm、キジバト2.5mm
 

消化
肉類
胃で主に行われる
穀物
腸で主に行われる

 

蜜食性鳥
腸の繊維が長く、糖の吸収が良い。

 

大腸
非常に短い  不消化物を体内に長く留めない。
          短い直腸からすぐに脱糞。
膀胱
なし        重くなる水分を体内に留めない
           尿は流動状の尿酸として、糞と共に出される。

 

盲腸
草食性では長く、肉食性では短い。
原始的な種ほど発達している。
水分と蛋白質を吸収。
糞や尿の一部は直腸を逆流して盲腸に戻り、
栄養素を取り出して再利用する。
なし
昆虫食の小鳥、キツツキ類、オウム
粒状
海鳥、ハト、穀物食の鳥
中ぐらい
シギ、キジ、フクロウ、海ガモ
長い
陸ガモ(ヒドリガモ♂26、ヨシガモ♂22、
マガモ15、コガモ9.5)、
ニワトリ(12~15cm)
オオバン(32cm)、エゾライチョウ(53cm)、
ダチョウ(70cm腸全体は13m)、
ヤマドリの盲腸はたいへん発達している。
70cm(キジの三倍、キジよりも植物食中心)

ニワトリ16cm、ハシブトガラス1.5cm
 

直腸の長さ(cm)
コジュケイ
6
コガモ
6
オオミズナギドリ
2
飛翔度の高いものほど短い

 

体重に占める消化器官の割合
ニワトリ
カラス
14%
8%
飛ぶ鳥は消化器官が軽い

 

体長比の全腸()
28
山羊
25
15
10
ヒグマ
8
7
5
4.5
シロナガスクジラ
4.5
蝙蝠
1.9
ダチョウ
9
ニワトリ
5.6
アヒル
4
ワシ
アマツバメ
3
ハト
2.9
ハシブトガラス
2.0

ニワトリで160~250cmの長さ
日本人は9.2m
 

消化管の長さ(m)
シロナガスクジラ
120
51
アフリカゾウ
19
7
5.1
オオアオサギ
2.5
2.1
1.8
ハリネズミ
1.7
コウモリ
0.25

 

 
体重(g)
腸の長さ(cm)
盲腸
アオバト
250
110
なし
ドバト
270
80
一対(4mm)
キジバト
220
63
一対(5mm)
ムクドリ
80
27
一対(9mm)
ヒヨドリ
70
15,5
なし

 

腸の長さは、
植物食→穀食→魚食→肉食→昆虫食→果実食→蜜食
の順に短くなる。

 

多くの生物が食べない蜜蝋を食料とするミツオシエは、
腸の中のバクテリアが蜜蝋を分解する。

 

モズ類
ネズミを3時間で消化する。

 

 
消化管内pH
 
そ嚢
砂嚢
十二指腸
回腸
大腸
盲腸
カワラバト
4.28
2.00
5.31
5.45
5.43
 
4.51
2.60
5.89
6.10
6.26
5.71
4.92
2.33
6.10
6.83
6.37
5.88
キジ
5.78
2.06
6.10
6.50
6.61
5.09