漢字名 |
雀
尾の長いものを『鳥』、
尾の短いものを『隹』と書き分けた。
雀は小さくて尾が短いトリ。 |
分類 |
日本鳥類目録改訂第三版(1942年) |
スズメ科(現在のアトリ科) |
日本鳥類目録改訂第四版(1958年) |
キンパラ科 | |
日本鳥類目録改訂第五版(1975年) |
ハタオリドリ科 | |
日本鳥類目録改訂第六版(2000年) |
ハタオリドリ科 |
いない場所 |
小笠原諸島
無人島、廃村、原生林、
一部の山村、離れ島 |
人が住まない場所にはいない。
人家の密度とスズメの個体数に正の相関がある。
人家が20軒以上ないと巣を作らない。
20つがい集まらないと繁殖できない。 | |
沖縄本島から390km離れた大東島では人が住むようになってから、
スズメも住み着いた。 | |
青ヶ島には人もスズメもいる。
1,200km離れた小笠原には、人は住むが、スズメはいない。
人がいるのにスズメがいない、数少ない場所。 | |
推定個体数 |
1,800万羽 |
900万つがい
秋は4,500万羽? |
留鳥? |
成鳥の大部分は留鳥
小さな群れ、建物などをねぐらとする。 |
一部の成鳥は一定地域に留まらず、都市部と農村部を、繁殖と越冬のために移動。
大きな群れ、都市の街路樹などをねぐらにする。 | |
親の縄張を追い出された若鳥は群れで放浪。 | |
出生地から300km以上の移動が確認されている。
成鳥にも100km以上移動する個体が知られている。 |
営巣形態 | |
開放営巣 |
隙間営巣 |
開けた樹上に営巣 |
隙間に営巣 |
熱帯アフリカのスズメ類に多い |
スズメ |
いずれの営巣形態でもスズメ類はドーム型の巣を作る。
隙間を利用してもなおかつドーム型の巣を作るのは、
隙間営巣の習性は最近獲得したものであり、
開放営巣が本来の営巣形態であることを示す。 |
産卵 |
毎日一個ずつ、5~6個
最後の卵は斑点が大きく模様が違う。(止め卵)
暗い穴の中なのに白くない。大昔は樹上に皿状の巣? |
抱卵 |
雌雄で抱卵するが、メスの方が多い。
夜はメスが抱卵するので、その前後はメスの離巣時間が長い。
メスの離巣時はオスがカバー。
オスには抱卵斑は無い。 |
抱雛 |
孵化後7~8日まで。 |
夜間 |
繁殖期、メスは巣内で寝るが、オスは別の場所で寝る。 |
繁殖 |
年二回(35%) |
巣作り(10日)、抱卵(12日)、巣立ちまで(14日)、巣立ち後の給餌(10日) | |
オスは縄張に他のメスが来ても攻撃しない。
幼鳥にも攻撃しない。 |
糞 |
孵化後間もなくは、ヒナの消化能力が不十分なので、
糞に栄養が残っているので、親が食べる。
日が経つとくわえて捨てる。 |
スズメ |
アフリカで発生、人の移動と共に地中海地方に進出、
農耕文化の伝播に伴いユーラシア大陸に広がり、種分化した。
日本には稲の伝播に伴い大陸からやって来た。
ヨーロッパではスズメが先に住み着き、
後から来たイエスズメにより、森に追いやられた。 |
さえずりは『チュイーン』 | |
イエスズメ |
エジプトから麦作文化と共に中央アジア、
ヨーロッパへ広がった。
シベリア開発に伴い東進した。
1990年、北海道の利尻島で♂と若が確認される。 |
スズメより低い声で、チーップ、チシッと鳴く。
嘴はスズメと同様で成長は黒、若鳥は黄色。 | |
英語でfeathered mouse羽ネズミとも呼ばれる。
米国では法律で保護されない唯一の鳥。 | |
ニュナイスズメ |
日本ではスズメより先に生息していたが、スズメに追いやられた。
分布はスズメとは100%近く重なるのに、
イエスズメとはほとんど重ならない。 |
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体重 |
体重の重いものほど強い。 |
イエスズメ |
29g |
ヨーロッパでは家の周りにいるのがイエスズメ。
スズメは森に行かなければ会えない。
ニュウナイスズメも他のスズメがいない所では
人の近くに生息。皆、人の近くが好きみたい。 |
スズメ |
25g | |
ニュウナイスズメ |
18g |
アフリカ大陸中部から南部に生息するハイガシラスズメが、日本のスズメに最も近い。
スズメ属15種中、雌雄同色なのはスズメとハイガシラスズメだけ。
韓国のスズメは日本と同じ亜種だが、北朝鮮の亜種は別亜種。 |
平均巣立ち率 |
スズメ |
46.4% |
ニュウナイスズメ |
26% |
スズメの体重 |
誕生直後の雛 |
1.8~2.1 |
巣立ち雛 |
20.3 | |
成鳥 |
25 |
着たきりスズメ |
羽は一年中殆ど変わらないが、
繁殖期には嘴が黒くなる。 |
換羽 |
7月下旬~9月下旬
白くくっきりする。
頬と喉の黒が目立つ。 |
羽 |
初列風切9 次列風切6 三列風切3 尾羽12
初列大雨覆8 次列大雨覆11 小翼羽3 手根骨羽1 |
害鳥? |
1954年、中国でスズメの大規模な捕獲作戦を展開、
まもなく中国では凶作に見舞われた。
スズメの獲り過ぎにより、虫が大発生した。 |
農薬の無い江戸時代には『四害六益』といわれ、害虫駆除の貢献度が高く評価されていた。 |
飛行 |
6回の羽ばたきを0.3秒続け、次に翼を0.3秒折りたたむ。 |
無飛力のスズメ目の鳥はいない。 |
巣材として青葉を運ぶ |
スズメ |
♂ |
ニュウナイスズメ |
♂♀ |
イエスズメ |
雄のイエスズメは胸の黒斑が濃くて大きいほどもてる。 |
飢餓に備え冬は体重を増やすが、捕食者であるハイタカがいる地域では体重を変化させない。
これは体重が軽いほうが逃げやすいから。 |