ツバメ

 

ツバメ
 

 

 

紫外線
羽毛からの紫外線反射の強さが雌雄で異なり、雄の方が頭頂部で10%明るい。
ツバメは紫外線を感知できるので、ツバメには色で雌雄が判別できている。
オスの喉はメスより赤い。
喉の赤が大きく濃いオスほど数多く繁殖を行い、多くのヒナを育てた。
尾羽
尾羽は方向舵として働く。
長い尾は急旋回が可能。
寄生虫の多いオスは尾羽の成長が悪かったり、左右対称にならない。
寄生虫が多いとヒナの成長が悪い。
メスは尾羽の長い、左右対称なオスを好む。
オスのほうが尾羽が長い。(約16%)
 
欧州のツバメ
♂は抱卵しない。
♂は日本のツバメより尾が長い。
尾羽の長いオスほど、メスにもてる(欧州の個体群で顕著)。
尾羽がきちんと対称なほどもてる。
日本のツバメ
♂も抱卵する。
抱卵により、尾羽が折れたり、擦り切れたりするので、尾羽の長さより、喉の赤の濃さや太っているかどうかが重要。
喉の赤い部分は欧州の雄ツバメの二倍以上の面積。
尾羽の白斑が大きい♂ほどもてる。

 

元々は大型草食動物が生息する草原に分布。
岩壁や土の崖に営巣していた。

 

季節風
春の気温が高めの年には、飛来も早め。
単に気温だけの問題ではなく、そのような年には
冬に発達していたシベリア高気圧の衰えも早く、
向かい風となる北西の季節風が和らぎ、
替わって南よりの風が吹くようになるから。
 
渡りの時期が気象に影響されるのは、
昼に渡る鳥に多い。
夜間に渡る鳥は気象に影響されにくく、
渡りの時期は毎年ほぼ一定。

 

帰巣
ツバメは帰巣本能が強い鳥。
成鳥は47%の帰還率。
オスはメスより帰巣率が高い。(オス47%、メス33%)
近親交配を避けるため、前年生まれのツバメの帰還率は低い(0.5%)。
離婚
離婚率65%
オスの到着後、5日以内にメスが到着すれば前年と同じペアで繁殖。
10日以内でも半数が同じペアで繁殖。
10日以上だと別の相手と繁殖。
オスよりメスが早く到着した場合は全て離婚。
渡来
平均気温が9前後になる頃に渡来する。
日本だけでなく、ヨーロッパでも。
関東以南では最低気温が10度以上になる頃。
それ以外の地方では5~8度位。
海上では一日300kmほど移動できる。
日本に来て、一日20~30kmほど北上。
100m高くなるごとに3~9日遅れる。
昼間、海面すれすれの低空
普通の鳥と違い、餌を採りながら渡りを行えるので、体に多くの脂肪を蓄える必要が無い。
一羽ずつ渡る。
海岸に着き、川沿いを内陸部に入る。
3月10日 九州
3月11日 四国
3月13日 中国
3月14日 近畿
3月17日 中部
3月11日 東海 
3月14日 関東
3月26日 東北
4月19日 北海道
渡来期間は2.5ヶ月
日本に飛来するツバメは約500万羽
渡去
渡去は東北以北で10度以下。
関東などでは15度以下。
西日本、東海地方で20度以下。
バラツキが有る。
渡去期間は1.5ヶ月
逗留期間
北海道東北部
120日
九州南部
230日

 

巣作り
雌雄で行うが、内巣は雌のみ。(一週間位)
古巣を利用する時もある。(三日位)
雄は古巣を利用したがるが、決定権は雌にある。
営巣の際に唾腺から膠着物質を分泌する。
元々、草原に生息し、岩壁や土の崖に営巣。
原始的な種(ショウドウツバメなど)は穴を掘る
泥巣を作るものほど進化。
ツバメ→イワツバメ→コシアカツバメと複雑化
1.8g
最初の卵は濃色、最後の卵は薄い。
一斉抱卵
ヒナ
孵化直後の体重1.5g
DNA鑑定で、番い外父性のヒナの割合は26.6%
抱卵
メスが97%
給餌
雌雄半々
雛の糞
初めは親が捨てる。
10日ほど経つと、雛が尻を巣の外に向けて糞をする。
浮気
DNAを調べると、雛の15%がその巣のオスとは違っていた。
子殺し
配偶者を得られなかったオスが、繁殖しているメスに自分の子供を産ませるために、そのメスの子を殺す行動。
子供を失ったメスは再び発情する。
性比がオスに偏っている場合に多い。
その年の一回目の繁殖に行われる。
巣立ち
孵化後三週間で巣立ち。
同じくらいの体の大きさの鳥と比べて1.5倍の長さ。
繁殖回数
関東では1シーズン2回が6割
1回が4割
稀に3回
欧州では北方では1回、南方ほど多い。

 

越冬ツバメ
茨城県以西で知られる。
大陸からの亜種アカハラツバメが多数混じっている。
二月に茨城県で標識放鳥したものが、五月にサハリンで見つかった。

 

北海道で放されたツバメがジャワ島で確認された。
エジプト産亜種は渡りをしない。
大発生したオスの蟻を地上で採餌するときもある。

 

ツバメの種類
17属 47
 
種数
固有種
エチオピア区
36
29
新熱帯区
26
16
東洋区
13
4
新北区
10
0
旧北区
9
0
オーストラリア区
7
4

エチオピア区がツバメの起源か。
 

日本のツバメ
ツバメ属
イワツバメ属
ショウドウツバメ属
ツバメ
リュウキュウツバメ
コシアカツバメ
イワツバメ
ショウドウツバメ

 

ショウドウツバメ
渡りの観察例は秋に多い。
春は大陸沿いを北上するものと思われる。
イワツバメ
巣作りは雌雄共同で行うが、産座はメス。
古巣を利用するペアは年二回繁殖。
新しい巣を作るペアは一回。
古巣を利用した鳥にはシラミバエなどの寄生虫が多い。
二回繁殖する場合には、一回目に巣立った若鳥が繁殖を手伝う例が報告されている。
古巣利用の方が繁殖成功率は高い
コシアカツバメ
ツバメより遅く日本に飛来

 

 
ツバメ
開放型
褐色の斑点がある
コシアカツバメ
中が暗いつぼ型
イワツバメ
深いカップ型
ショウドウツバメ
崖に横穴

 

 
尾羽の枚数
ツバメ科
12枚
前3 後ろ1
アマツバメ
10枚
前4 後ろ0

 
 
羽ばたきのサイクル(秒)
スズメ
0.06
ムクドリ
0.09
ツバメ
0.12~0.16
離陸時や獲物を襲う時の
ツバメ
0.08
 

ツバメが低く飛ぶと雨
天気が悪く湿度が高いときには、ツバメが食べる虫は湿度上昇の影響で翅が湿って地上付近に下がってくるから。