鳥と実

 

種子散布

風による風散布

水の流れによる水散布

自らはじける自発的散布

動物に運ばせる動物散布

ただ落ちるだけの重力散布

 

鳥散布

動物散布

付着型

羽毛や体毛に引っかかって運ばれる。

重力散布

周食型

(フルーツ型)

種子自体ではなく、周りに発達した果肉が食べられる。

貯食型

(ナッツ型)

種子自体が餌となってしまうが、食べ残された種子が発芽する。

 

種子植物の散布様式

 

高木

亜高木

低木

草本

動物散布

68

94

85

60

付着型

 

 

 

10

周食型

50

94

82

43

貯食型

18

 

3

7

風散布

32

6

15

20

 

 

 

20

 

付着型

(ひっつき虫)

付き方

種子

カギ型のトゲ

キンミズヒキ、ダイコンソウ、

ヌスビトハギ、オオオナモミ

モリ型のトゲ

イノコズチ、チカラシバ、

アメリカセンダングサ、コセンダングサ

粘液

ノブキ、コメナモミ、チヂミザサ

カツオドリで知られる。

 

周食型

フルーツ型

@ 果序が葉層から突出。

   熟したときに種衣や外果皮が、などに着色。

A    熟した果実の種衣や果肉はおいしくて栄養があるが、

未熟なうちは渋みやを持つものがある。

B 種子自体には渋みやを持つものが多い。

C 種子や核は堅く、動物の消化管を通っても壊れない。

D    種子に果肉が付いたままだと、発芽率が低い。

種子から果肉を取り除くと、発芽率が高くなる

アキグミでの実験では発芽率20%50%

植物

クスノキ科、モチノキ科、ハイノキ科、ヤブコウジ科、

ホルトノキ科、ブドウ科、ウコギ科、ミズキ科

鳥類

森林性の鳥が多い。

ハト科、キツツキ科、サンショウクイ科、ヒヨドリ科、レンジャク科、キジ科、ヒタキ科、シジュウカラ科、メジロ科、ムクドリ科、カラス科

 

果実が一年中ある熱帯地方だけが、鳥が果実だけで生きることを可能にする。

鳥は炭水化物中心の果実より、脂肪分の多い果実を好む。

獣が食べる果実は、人が食べてもおいしいものが多いが、鳥が食べる果実はおいしくないものも多い。

 

 

哺乳類

鳥類

実の大きさ

大き目を好む

一口サイズ

種子の大きさ

小さい

逆にとても大きいものも

中途半端は無い

実に近い大きさ

実の色

目立たない色

(猿がターゲットの実は赤)

赤や黒が多い

熟すと色が変わる

臭い

強い

無し

熟果

落ちる

落ちない

 

けものと違い、歯を持たない鳥では果肉の中の種子を噛み砕く

心配があまりない。

 

種子が消化されない固い殻(胚を保護する種皮、内果皮)

 

 

クサイチゴ

モミジイチゴ

クマイチゴ

1

アナグマ

ヒヨドリ

2

ニホンザル

ニホンザル

3

ヒヨドリ

 

 

 

赤や黒の実

赤い果実は、害虫には目立たず、種子を運んでくれる鳥には目立つよう進化した産物。

赤は人にも目立つ色だが、黒は人には目立つ色ではない。

黒や黒に近い紫、黒に近い青色の果実は紫外線を反射し、その反射光の波長を人は感じることはできないが、鳥は感知できる。

そこで、我々には見つけにくい黒い果実を鳥類はたやすく探し出せる。

 

 

果実の色

赤系統

41%

 

92%

黒紫系統

29%

オレンジ系統

22%

8%

寒い気候帯ほど赤色の割合が多い。

暖かい気候帯では、黒色の割合が多い。

高木層より低木層、低木層より草本層ほど赤色の占める割合が高い。

果実が、最初緑色をしているのはクロロフィルの色で、熟していくと分解される。

アントシアニンは、酸性では赤色、アルカリ性では青色になる。

色素の種類や量によって紫外線反射は異なる。

 

鳥の体内を通過すると発芽率が高くなる種子

ナナカマド、ハゼ、マサキ、ネズミモチ、クサギ、ヒサカキ

ケツァールはリトルアボガドの実だけを食べる。

リトルアボガドの種はケツァールが食べないと芽が出ない。

 

ヒヨドリ

口幅15mm

シロダモ、センダン位の大きさまで。

アオキは長いが、短径は1213mm

実を嘴ではさんで、成熟度を測る。

スギ人工林において最大の種子散布者。

ヤマガラ

エゴノキ、シキミ、イチイの種子など人に有毒なものも食べる。

 

嘴の幅(mm)

鳥の口径(mm)

口角幅(mm)

メジロ

5.7

メジロ

6.2

メジロ

5.94

シジュウカラ

6.0

コガラ

7

ヤマガラ

6.45

キビタキ

6.5

ジョウビタキ

7.2

コゲラ

7.47

ヤマガラ

6.7

キビタキ

8.1

キビタキ

8.51

コゲラ

6.7

スズメ

8.2

ヒヨドリ

13.37

オオルリ

6.9

キジバト

8.8

シロハラ

14.10

ホオジロ

7.0

カワラヒワ

9

 

 

スズメ

7.0

アカハラ

11

 

 

エゾビタキ

7.2

シロハラ

11

 

 

ジョウビタキ

7.2

ツグミ

11.7

 

 

シラコバト

8.0

コジュケイ

12.1

 

 

キジバト

8.3

カラスバト

12.5

 

 

サメビタキ

8.4

ズアカアオバト

12.7

 

 

アトリ

9

ムクドリ

12.9

 

 

バン

11

トラツグミ

14.5

 

 

タゲリ

11

オナガ

15

 

 

ヤマシギ

12

ヒヨドリ

15.4

 

 

ツグミ

13

シメ

16

 

 

ヒヨドリ

13

カケス

18

 

 

コガモ

14

ハシボソガラス

24

 

 

モズ

15

ハシブトガラス

33

 

 

アカハラ

15

 

 

 

 

シメ

15

 

 

 

 

カイツブリ

17

 

 

 

 

トロツグミ

18

 

 

 

 

カワウ

22

 

 

 

 

カルガモ

24

 

 

 

 

キジ

25

 

 

 

 

ハシボソガラス

33

 

 

 

 

 

 

果実の短径(mm)

割合(%)

果実の直径

34

7

45

11

56

27

67

18

78

16

89

7

910

2

1011

4

1112

7

1213

2

果実の直径は312mmが多い(平均6mm)

5mm未満であれば小型の鳥も大型の鳥も食べるが、

それ以上では中型以上の鳥しか食べない。

アオキは長いが、直径は1213mm

 

実や種の直径(mm)

サワラ

2

クマノミズキ

5.1

イイギリ

10

スギ

2

イチイ

6

ガジュマル

10

スズメノカタビラ

2

ウルシ

6

カラスウリ(種子)

10

ハンノキ

2

カンボク

6

クコ

10

ツリバナ

3

クロガネモチ

6

サルトリイバラ

10

タラノキ

3

タラヨウ

6

シュロ

10

ヌルデ

3

トキワサンザシ

6

シロダモ

10

マユミ

3

トベラ

6

ムクノキ

10

アカメガシワ(短径)

3.4

ニシキギ

6

モチノキ

10

ツゲモチ

3.5

ヒョウタンボク

6

タブノキ

11

ハンノキ

3.5

ミズキ

6

シャリンバイ

12

クロバイ

3.7

ヤドリギ

6

ハナミズキ

12

イヌツゲ

4

サカキ

6.2

センダン

12.5

ウラジロエノキ

4

イボタノキ

6.5

トベラ

13

オオバコ

4

エノキ

7

モミジイチゴ

13

カラスザンショウ

4

ガマズミ

7

ヤマモモ

13

サンショウ

4

センリョウ

7

サルナシ

14.7

ニワトコ

4

ナンキンハゼ

7

トウグミ

15

マサキ

4

ノイバラ

7

ヒメコウゾ

15

ムラサキシキブ

4

マンリョウ

7

ヤマグワ

15

ヒサカキ

4.3

メギ

7

ヤマボウシ

15

アリドオシ

5

モッコク

7

アオキ

16.5

アワブキ

5

ヤドリギ

7

ヤマモモ

20

ウツギ

5

ヤマブドウ

7

ムクロジ

25

ウメモドキ

5

サネカズラ

7.1

 

 

カナメモチ

5

シャリンバイ

7.4

 

 

クマヤナギ

5

ツルウメモドキ

7.5

 

 

クロガネモチ

5

アキグミ

8

 

 

コムラサキ

5

エゴノキ

8

 

 

トウネズミモチ

5

カマツカ

8

 

 

ナナカマド

5

キヅタ

8

 

 

ノブドウ

5

キハダ

8

 

 

ヒサカキ

5

コブシ

8

 

 

 

 

サネカズラ

8

 

 

 

 

サンゴジュ

8

 

 

 

 

ジャノヒゲ

8

 

 

 

 

ズミ

8

 

 

 

 

ソヨゴ

8

 

 

 

 

タチバナモドキ

8

 

 

 

 

ナンテン

8

 

 

 

 

ハゼノキ

8

 

 

 

 

ピラカンサ

8

 

 

 

 

ホルトノキ

8

 

 

 

 

ヤマザクラ

8.4

 

 

 

 

ヤツデ

8.5

 

 

 

 

クサギ

8.5

 

 

 

 

イヌガシ

8.9

 

 

 

 

クスノキ

9

 

 

 

 

ハナイカダ

9

 

 

 

短径 長径(mm)

ハマヒサカキ

5  7

マンリョウ

7  8

センリョウ

6  6

ナンテン

8  8

トウネズミモチ

6  7

クスノキ

8  9

サワフタギ

6  8

 

 

タチバナモドキ

6  9

カクレミノ

9  10

トキワサンザシ

6  9

ヒイラギナンテン

8  10

ネズミモチ

6  13

クコ

9  14

クロガネモチ

7  7

シャリンバイ

10  10

イヌツゲ

7  8

ユズリハ

10  11

ベニシタン

7  8

モチノキ

10  11

アオツヅラフジ

7  8

アオキ

12  18

ノイバラ

7  8

 

 

 

 

ミズキ

クマノミズキ

ヨウシュヤマゴボウ

実一個の重量(g)

0.23

0.06

0.35

種子一個の重量(g)

0.1

0.03

0.08

実一個の果肉重量(g)

0.13

0.03

0.27

実 長径×短径(mm)

9.0×6.7

5.3×4.7

9.0×6.7

 

ヒヨドリが食べた果実の種子滞留時間 ()

ハナミズキ

13.1

クワ

26.4

ヤブムラサキ

41.5

 

散布距離

小型の鳥

大型の鳥

数十m

数百m

鳥が体内に種子を留めておける時間は2030分。

長くて一時間。

時速60kmなら一時間飛んでも60km以内にしか散布できない。

陸地から遠く離れた島に、明らかに鳥散布と思われる植物がある。

その場合、偶然の要素が必要。

 

種子体内滞留時間

採餌コストなので短いほうが望ましい。

植物

遠くに運ばれるには長いほうが望ましい。

大きな種子ほど早く排出される。

大きな種子ほど採餌コストが低く鳥に好まれる。

小さな種子は長い散布距離、広い散布範囲が期待できる。

排泄よりペリットとして吐き出した方が早い。

大きな種子ほど吐き出す傾向がある。

体の小さな鳥ほど頻繁に吐き出す。

 

上層利用の鳥

アオバト

下層利用の鳥

ルリビタキ

 

種子を砕いてしまう鳥

イカル、シメ、カワラヒワ、マヒワなどアトリ科の鳥など

種子散布者とされるヒタキやツグミの仲間の糞の73.9%から種子が検出。

種子食のアトリ科の糞からも26.1%の種子が検出。消化されずに排泄される種子も意外に多い。

 

カラスバト

砂嚢が強力で、種子自体を消化してしまう。

 

実りの秋

秋に熟す果実が多い。

これは果実食の鳥は昆虫も食べるものが多く、

昆虫は夏に多いので、夏に果実が熟しても利用してもらえない。

また、果実にとって虫は多くが害なので、

その虫を食べてもらうには、夏に果実が熟さないほうが有利。

春〜夏は害虫を食べ、秋〜冬は果実を食べてもらいたいから。

初夏に実を付ける木の戦略

夏は昆虫がたくさんいて、栄養豊富なので多くの鳥は昆虫を食べる。

夏に熟す果実は昆虫に見劣りしないよう、

味が良いか、栄養価の高い果肉が発達。

ハトやヒヨドリが利用。

ヤマモモ

ヤマザクラ

人が食べてもおいしい。

タブノキ

アボカドと同属。

果肉はアボカドに良く似て、脂肪分に富む。

 

植物

結実期

種子散布鳥

アカメガシワ

旅鳥

夏鳥

カラスザンショウ

冬鳥

留鳥

 

アオキ

実が大きいので、ヒヨドリなどの大き目の鳥だけが食べる。

アカメガシワ

四国では秋に果実が成熟、渡り鳥が食べる。

琉球諸島では78月に果実が成熟、留鳥が食べる。

イヌマキ

赤い花托は甘く食べられる。

ヒヨドリは赤い花托を食べ、種子は排出。

ヤマガラは、種子を食べる。

ウルシ属

脂肪分を豊富に含む。

キツツキ、カラスが好む。

エゴノキ

油脂に富む。

ヤマガラと密接な関係。

果実は緑色で目立たない。

果皮にはゾウムシなどに産卵されないようエゴサポニンという毒を含む。

観察では、エゴノキの果実を利用したのはヤマガラのみ。

ヤマガラは有毒な果皮を上手に剥く事ができる。

エゴノキの果実は、そのまま地面に落ちたときには殆ど発芽しなかったが、果皮を剥がした果実は三分の一程が発芽した。

ヤマガラに運ばれた種子は深さ10cm程に埋められる。

この深さは、乾燥による死亡率を下げ、また深すぎて発芽できないほどには深くないのでエゴノキの発芽に有利に働く。

カヤ

種子はビタミンと脂肪分に富み、ヤマガラの好物

カンエンガヤツリ

イネ目カヤツリグサ科のカンエンガヤツリ、東アジアに分布するが、日本のものは渡り鳥による種子散布ともいわれている。

ゴーヤ

黄色く熟すと破裂し、仮種皮が赤くなり甘くておいしい。

サンショウ

赤い実は熟すと裂け、黒い種子が現れる。

種子の表面の油が鳥に好まれる。

タラノキ

種子は主にメジロによって運ばれる。

ツチアケビ

ラン科植物は風散布と思われていたが、ヒヨドリによる種子散布が確認された。

ドクウツギ

日本三大毒草の一つで猛毒。

未成熟の果実は特に毒が強い。

果肉を食べるだけなら無毒という説も。

鳥などによって種子散布される。

肥大した花被が被食部になり、果実が排出される。

果実や種子には速効性のあるコリアミルチン、ツチンが含まれる。

低木で、果実は甘いので、子供が食べて事故になる。

ヌルデ

リンゴ酸カルシウムを含み、鳥に人気。

ハナミズキ

果実は鳥が食べる。

近縁のヤマボウシは集合果で、哺乳類が食べる。

ミヤマザクラ

果実は夏に熟す。

夏には液果が少なく貴重。

照ヶ崎海岸に海水吸引に飛来するアオバトは、丹沢の1,000m以上に分布するミヤマザクラに依存。

ヤドリギ

緑色の種子は粘着性の物質で包まれ、

レンジャクやヒヨドリの消化管では消化されない。

そこで、採餌後2030分後、

ネバネバと尾を引く粘着性の糞をする。

また、種子には長い紐が付いている。

キジは筋胃が発達し、種子まで粉砕する。

ムササビでも種子まで粉砕される。

 

半寄生植物(光合成は行うが、水やミネラルを奪う)

種は芽を出すと吸盤状の根を出し樹皮に付く。

次にくさび状の寄生根から樹皮を溶かす酵素を出し、

幹に穴を開け、導管に侵入する。

導管からミネラルなどを奪う。

最初の葉を広げるまでに四年ほどかかる。

2月〜4月に黄色い花が咲く。株には雌雄がある。

ハチの仲間が花粉を運ぶ。

晩秋(103)に黄色く熟す。(7mm)

赤く熟すアカミヤドリギなどもある。

ランタナ

種子を噛み砕く哺乳類には有毒だが、種子を丸呑みにする鳥類には無毒。

ヨウシュヤマゴボウ

種子にフィトラッカトキシン、フィトラキゲニンなどの有毒成分。

果肉には毒性は無く、鳥が種子散布する。

 

果実を食べ、種子を散布する鳥の数は122月に最も多くなる。

シロハラ、ヒヨドリ、メジロの越冬組、

シベリアなどで繁殖した大型ツグミ類やヒタキ類などの渡り鳥は、

果実食のものが最大。

それらの鳥は一時体を休め、液果を食べ、雪が来る前にさらに南に移動する。

東北日本のブナ林

熟す果実は液果、さく果、堅果、910月に最大。

関東など

さく果、堅果は秋(910)

液果は冬(122)

照葉樹林

鳥に散布されやすいように、多くの液果が、

真冬に熟期を持つようになった。

一般に温暖な地域ほど被食鳥散布植物は多くなる。

果実も食べる鳥は多くが森林性。

被食鳥散布植物は主に森林植物。

 

 

ヒヨドリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョウビタキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツグミ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シジュウカラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メジロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スズメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムクドリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキグミ

メジロ

イイギリ

ヒヨドリ、カラス類

クロガネモチ

ヒヨドリ、ハシブトガラス

ナナカマド

ツグミ類

ピラカンサ

ヒヨドリ、ツグミ類

エノキ

アトリ類、カラス類

スズメ、ムクドリ、ウグイス、メジロ、ツグミ

ナツグミ

ムクドリ

ムラサキシキブ

メジロ

イヌツゲ

ヒヨドリ

ムクノキ

ムクドリ、カラス類

 

ヒマワリ

カワラヒワ

ドングリ

カケス

オシドリ

エゴノキ

イチイ

ヤマガラ

サンショウ

ヒタキ類

ハイマツ

ホシガラス

ヤドリギ

レンジャク

マツ

イスカ

ハンノキ

ヤシャブシ

マヒワ

ハギ

オオマシコ

マツヨイグサ

マヒワ

ヨモギ

ベニマシコ

ハマニンニク

ユキホオジロ

 

植物

アカコッコ

57

ハチジョウグワ

67

タブノキ

オーストンヤマガラ

 

スダジイ

ノグチゲラ

56

タブノキ

ヤマモモ

6

アカメガシワ

1012

スダジイ

マテバシイ

ホシガラス

79

ハイマツ

911

ゴヨウマツ

メグロ

一年中

ジュズサンゴ

89

クサトベラ

ルリカケス

910

スダジイ

10下〜11

アマミアラカシ

 

 

鳥の好きな実

 

 

貯食型

(ナッツ型)

@ 栄養価に富んだ大型の種子を持つ。

A 外皮が堅い

B 大量に実り、年によって豊凶の差が激しい。

C 熟すと落下する。

D 種子の大部分を食われても発芽可能。

E 渋み、苦味などの弱い毒を持つものが多い。

カラス科、シジュウカラ科、ゴジュウカラ科、キツツキ科

など、高度な学習能力を持つ動物。

貯食には、@ 餌の探索。 A 餌の輸送。 B 餌の貯蔵、隠蔽。

という作業を伴い、動物にとってはかなりの労働を必要とする。

種子が覆土されるので、食べ残した種子は生存率、発芽率が高まる。

貯食する鳥は、海馬の発達が著しい。

実験で海馬を傷つけると、貯食した場所がわからなくなる。

 

実は枝まで運び、両脚の内趾の間に挟み込む。

鋭端部と鈍端部がはっきりしているシイなどは、鋭端部を前にしてくわえる。

それを木の根元などに押し込み、いったん離してから鈍端部を嘴でつついて埋め込む。

さらに土などで隠す。

深さ2cmほど。

1011月に貯え、12月に利用することが多い。

ヤマガラは千個以上埋め込む。

カケスは一シーズン四千個。

カケスはミズナラの実を、一度に平均4.3個、のど袋に入れて運ぶ。

明るい林床に隠す。

親木からの距離は50200mほど。

アオカケス

4km運ばれた例がある。

ヤマガラ

限界値は163529m

野乳類

525mの範囲に散布されるものが多い。

 

貯食型植物

渋み、苦味などを持つものが多い。

リグニン、タンニン、ポリフェニールなどの高分子化合物で、それ自体毒性を持たないが、消化を妨げる。

一定量以下を食べる分にはたいした毒性を示さない性質は、

貯蔵しておいて、少しずつ食べるという貯食行動にうまく結びつく。

豊作の年は埋めても食べない実が多く、発芽するものが多くなる。

カケスなどが埋めたドングリは、自然落下したものよりネズミに食われることが少ない。

また、腐敗が少なく保存状態が良い。

ブナ科、マツ科、クルミ科など

 

タンニン

温水によって抽出されるポリフェノール化合物で、塩化第二鉄によって青色を呈し、アルカロイド、ゼラチン及び他のタンパク質を沈殿させる化合物。

 

タンニンは消化阻害や消化管損傷などの毒作用を示す。

大量に食べなければ害はほとんどない。

実験で、ネズミはミズナラのドングリを十個続けて食べると死んだ。

アカネズミはタンニンを唾液中の蛋白質で防御する。

 

ドングリを土に埋めてもタンニンの含有量に変化はない。

タンニンが少ないドングリはすぐに食べ、あまり埋めないで、

タンニンが多いドングリはあまり食べず、埋めて、

他に食べるものがなくなったときに取り出す?

タンニンはドングリの上半分(とがった方)に多い。

動物はタンニンの少ない下半分(帽子の付いた方)を食べる。

胚軸は上半分にあるので、この部分が食べられなければ、

発芽能力は充分ある。

 

ドングリのタンニン含有量(乾燥重量)%

ミズナラ

コナラ属

8.4

アラカシ

コナラ属

4.7

シラカシ

コナラ属

4.5

コナラ

コナラ属

3.9

アベマキ

コナラ属

1.3

クヌギ

コナラ属

1.3

イチイガシ

コナラ属

1.2

マテバシイ

マテバシイ属

0.5

スダジイ

シイ属

0.1

表皮はさらに濃厚なタンニンが含まれる

コナラのタンニン含有量は0.131.5%

アカネズミでの実験で、窒素消化率はコナラ12%

ミズナラは−17.5%と負の値を示した。

 

 

長さ

(mm)

(mm)

重さ

(g)

コナラ

22.4

10.6

1.3

ミズナラ

27.1

15.7

2.3

カシワ

21.2

18.1

2

スダジイ

21.2

10.4

0.57

マテバシイ

 

 

2.85

シラカシ

 

 

1.4

ブナ

12

 

0.2

クヌギ

 

 

2

 

どんぐり名

落葉 / 常緑

イヌブナ

ブナ属

0.5

ブナ

ブナ属

8.6

スダジイ

シイ属

8.8

ツブラジイ

シイ属

8.8

アラカシ

コナラ属

9.0

ツクバネガシ

コナラ属

10.7

シラカシ

コナラ属

10.9

コナラ

コナラ属

11.8

アカガシ

コナラ属

12.0

ウバメガシ

コナラ属

12.2

イチイガシ

コナラ属

12.3

ミズナラ

コナラ属

12.4

ナラガシワ

コナラ属

14.0

マテバシイ

マテバシイ属

14.4

アオナラガシワ

コナラ属

14.5

ハナガガシ

コナラ属

14.6

アマミアラカシ

コナラ属

14.7

シリブカガシ

マテバシイ属

15.4

アベマキ

コナラ属

16.9

カシワ

コナラ属

17.6

クヌギ

コナラ属

19.8

 

巣穴貯蔵

地中深く埋められることが多く、

ドングリにとって不適切

ネズミ、リス

分散貯蔵

適度な深さに埋められる

ドングリにとってベストパートナー

カケス

 

ドングリキツツキ

タンニン含有量の少ないドングリが豊富な年は繁殖数が多く、

タンニン含有量の多いドングリが豊富な年は繁殖数が少ない。

散布にはほとんど貢献しない。

 

ヤマガラ

スダジイやエゴノキなど少しとがった実では、鋭端部を前にしてくわえる。

土に押し込んで、鈍端部をくちばしでたたいて埋め込む。

エゴノキやイチイなどの木の実を好む。

果肉ではなく、中の種子を食べる。

イチイの種子にはアルカロイドが含まれ、哺乳類には有害だが一部の鳥類には無害。

(イチイ 別名アララギ 有毒成分タキシンというアルカロイドを含む  英語のtoxin毒素はイチイが語源)

(アルカロイド アルカリ性を示す有機物 [アルカリのようなもの]の意味。 植物毒はアルカロイドがほとんど 薬用植物もアルカロイド)

 

ホシガラス

英名 ナッツクラッカー

ハイマツの種子散布に貢献。

北海道アポイ岳の調査で96%のハイマツ種子がホシガラスによって運ばれた。

喉袋には一度に140個の種子を溜め込むことができる。

(リスは40)(ヤマガラ、シジュウカラは1)

 

小さな種子

小さな動物から大きな動物まで、さまざまな動物に種子散布される。

小さな種子は栄養が少ないので、発芽率は低い。

発芽直後の苗の段階でも、乾燥に弱い。

大きな種子

発芽率が高い。

大型動物に依存。

大型動物ほど移動能力が大きく、遠くまで運べる。

 

経路別移入回数(ガラパゴス諸島)

 

気流

海流

シダ植物

1

106

 

107

単子葉植物

63

14

2

79

双子葉植物

180

14

33

227

 

244

134

35

413

 

前胃

果実食の鳥で発達

砂嚢

穀物食などの鳥で発達が顕著。

中に石など硬い物が入っていて、

食物をすりつぶす。

果実食の鳥では痕跡程度。

 

虫の付いた果実

忌避される理由

昆虫によって加害された果実では結実が阻害される。

排泄物によって味がまずくなる。

好まれる理由

虫も一緒に食べることで蛋白質や脂質などの栄養価が高まる。

ナッツ型果実者

ゾウムシの幼虫が入った堅果はその場で食べ、

未加害の堅果を貯食する。

フルーツ型果実者

果実食の専門家は一般に虫を捕らえるのがうまくないので、

虫を一緒に食べられるのは好都合。

 

菌に感染した果実

鳥は菌に感染した果実を好まない。

菌は果実の味をまずくし、栄養価を下げる。

菌は果実の変色や腐食などによってその存在を示すことで、

果実を食べられないようにしているという説もある。

 

脚を使って実を押さえることができる鳥

シジュウカラ科、カラス科

 

キヅタアメリカムシクイ

英名 Myrtle Warbler マートルの実を好む

   wax myrtle ヤマモモ科(シロヤマモモ)

サンショウクイ

山椒喰 声のピリリピリリからの連想

シメ

英名 Hawfinch Hawはサンザシ

サンザシの実を好む

ヒシクイ

菱喰 菱の実を好む

英名 Bean Goose 豆を好む

ホシガラス

英名 Nutcracker 木の実を割る者

ムクドリ

椋鳥 ムクノキの実を好む という説も

ヤドリギツグミ

寄生木鶫 ヤドリギの実を好む

英名 Mistle Thrush ヤドリギはmistletoe 

           mistleは廃語

 

 

 

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