雛
| 孵化直後のヒナの体重 (g) | ダチョウ | 1,000 | 
| オオハクチョウ | 230 | |
| コハクチョウ | 178 | |
| タンチョウ ペリカン | 130 | |
| カナダガン | 120 | |
| オジロワシ | 115 | |
| カナダヅル | 114 | |
| コウノトリ | 90 | |
| フンボルトペンギン | 90 | |
| イヌワシ | 80 | |
| フンボルトペンギン | 80 | |
| ウミガラス | 75 | |
| マガン | 75 | |
| シジュウカラガン | 75 | |
| クジャク | 70 | |
| セグロカモメ | 68 | |
| ハシブトウミガラス | 68 | |
| エトピリカ | 65 | |
| カリガネ | 64 | |
| オオミズナギドリ | 63 | |
| シマフクロウ | 60 | |
| トキ | 60 | |
| シロフクロウ | 50 | |
| ツノメドリ | 48 | |
| ウミネコ | 47 | |
| カワアイサ | 46 | |
| コクガン | 44 | |
| ブロイラー | 40 | |
| ウミバト | 39 | |
| マダラウミスズメ | 33 | |
| マガモ | 32 | |
| ウミスズメ | 31 | |
| ウミオウム | 30 | |
| カルガモ | 30 | |
| オシドリ | 27 | |
| エトロフウミスズメ | 25 | |
| ゴイサギ | 24 | |
| ツメバケイ | 20 | |
| ライチョウ | 18 | |
| ドバト | 15 | |
| オオコノハズク | 15 | |
| アジサシ | 15 | |
| カンムリウミスズメ | 15 | |
| カラス | 14 | |
| コウミスズメ | 12 | |
| エゾライチョウ | 11.4 | |
| ブッポウソウ | 10 | |
| シロハラクイナ | 8.5 | |
| ウズラ | 6.9 | |
| シロチドリ | 6 | |
| アカハラ | 5 | |
| ムクドリ | 5 | |
| オナガ | 4.7 | |
| カッコウ | 3.6 | |
| カワセミ | 3 | |
| モズ | 2.7 | |
| スズメ | 2 | |
| キセキレイ | 1.5 | |
| ツバメ | 1.5 | |
| メジロ | 1.3 | |
| シジュウカラ | 1.1 | |
| ツリスガラ | 0.8 | |
| ノドグロハチドリ | 0.4 | 
産卵直後の卵の重さの82%前後
コハクチョウ産卵直後の卵の重さ272gが孵化直後のヒナ178g(35%減)
| 孵化 | 卵の中の雛が呼吸運動を行うのは孵化の1日か2日前。 嘴を気室に差し込み、呼吸する。 その頃には気室は卵全体の1/4の体積になっている。 卵はとがっている方が殻が厚く、強度が高いので、 雛は、卵のとがっていないほうから出る。 カルシウムが吸収された卵殻はもろくなっていて、雛がつつく力でも容易に割れる。 卵の中の雛は卵歯と呼ばれる突起が、上嘴の先端にできる。 後頭部に頭を動かすための特別な筋肉が発達する。 卵歯と特別な筋肉で卵の内側から穴を開ける。 孵化後、数週間の内に吸収されたり脱落する。 筋肉も成長につれ小さくなる。 | 
| 同時孵化 | 孵化後すぐに安全な場所に移動する離巣性ないし、早成性の種で特に重要。 マガモでは二時間以内に全てが孵化する。 マガモの抱卵期間は28〜29日なので、何もしなければ孵化には1〜2日のズレが生じる。 卵は水分蒸発により、卵の鈍端の二重の卵殻膜の間に気空ができる。 孵化の2〜3日前に、卵内の雛は嘴を卵殻膜に突き刺し、 肺呼吸を始める。 より成長した卵内の雛はゆっくり、成鳥の遅い雛は早く鳴くことで、同腹卵の卵内で、雛は互いの発育段階を知る。 一番最初に孵化した雛が騒ぐことが刺激になって、孵化を同調させる。 孵化が長時間遅れると、自分だけ置いて行かれる。 孵化が早すぎると空腹のまま長時間待たされる。 | 
| 殻を破って雛が出てくるが、この現象を「孵化」とは呼べないことがわかってきた。 メダカの卵は卵膜に包まれるが、受精19日ほどで孵化酵素という蛋白質分解酵素が分泌され、卵膜を溶かして稚魚が泳ぎだす。 これを「孵化」という。 哺乳類の卵を包んでいる膜は透明帯というが、孵化酵素によって透明帯が溶けることを「孵化」と呼んでいる。 孵化することによって胚盤胞期の胚は子宮の壁に着床できる。 母親の体外に出る現象は「分娩・誕生」である。 このように、「孵化」という用語に共通しているのは、卵を包んでいる膜が孵化酵素によって溶かされて、胚が膜の外に出ること。 鳥類では、卵黄膜が孵化酵素によって溶け始めるのは孵卵三日目。 卵黄膜は徐々に溶け出し、消失した部分には胚のヘソからつながっている血管網が発達して、卵黄を吸収できるようになる。 これがニワトリの「孵化」ということになる。 | |
| 体温 | 孵化直後は30度程度しかないので、親に暖めてもらう必要がある。 | 
| 雛の口 | 多くが赤。 喉の皮膚の下を通る血管によって赤く見える。 雛が餌を食べると、血液が胃に移動して喉の赤味が薄れる。 胃が空の雛が最も赤い、親はより赤い雛に餌を与える。 | 
| アカゲラ(ピンク) コムクドリ(黄色) | 
| 留巣性の雛 | 一時的に親の体重を上回る種が多い。 モモイロペリカンの親10kg、雛14kg ことわざの『カラスに反哺の孝あり』は、 成長した子が、親に餌を含ませ恩に報いることですが、 親より大きくなった子に、親が餌を与える姿を見誤ったもの。 | 
| 小型の陸鳥 | |
| 空中で採食する種 | 成鳥より重くなるまで巣で成長 | 
| 地上で採食する種 | 成鳥より軽い体重で巣立ち | 
| 養子 | |
| 76%の科で報告がある | |
| ひなまぜ | ケワタガモ類、ツクシガモ類、コオリガモ、アイサ類、アラナミキンクロ、アメリカオシ、シジュウカラガンで知られている。 繁殖密度が高い種類や、樹洞で繁殖する種類。 巣立った雛を連れて泳いでいる家族郡が出会い、一時的に雛が別の親についていってしまうこと。 親は気にせず、自分の子と同様に扱う。 親が餌を与えるわけではないので、親の負担は増えない。 | 
| 薄めの戦術 多くの雛を獲得することで、敵に襲われても自分の雛がやられる確立を低めようとしている。 | |
| 危険分散 自分の連れている雛が全滅しても、他の親に預けた自分の雛が生き残る。 | |
| 雛の移動 | シロハラアマツバメ、ミツユビカモメ(8%) | 
| より良い親を求めて引っ越す説、寄生虫説 | |
| おばさん行動 | ホンケワタガモのメスが、他のメスが連れている雛に付いていき、捕食者から雛を防衛することがある。 雛を失ったメスや繁殖をしなかったメスが行う。 | 
| ヒナ分け | イソヒヨドリ | 
| カンムリカイツブリ | 
| アカハラ | 親鳥は昆虫や木の実を主に食べるが、雛にはミミズが多い。 | 
| 雛が大きくなると、骨格形成に必要なカルシウムを補うため、殻付きのカタツムリを与えることもある。 | 
| アブラヨタカ | 雛は成鳥の1.5倍の大きさになる。 椰子などの脂肪の多い果実を食べて太る。 雛から料理や灯火用の油が採れるのでその名が付いた。 | 
| イソヒヨドリ | 雛が巣内にいるときは雌雄で世話をする。 全ての雛を区別しない。 | 
| 雛が巣立つと @♂親だけが給餌        A♀親だけが給餌        Bヒナ分け | 
| ウソ | 初夏の子育てでは雛に昆虫を与えることが多い。 その年二度目となる盛夏の子育てでは植物質が多い。 | 
| カツオドリ | 二卵産むが、早く孵化したヒナは孵化後4〜5日経つと、 孵化していない第二卵を背中に乗せて巣外に押し出す。 親は戻したりしない。 そのため、二卵産んでも一羽しか育たない。 | 
| カンムリカイツブリ | ♂親と♀親が、異なる雛を分担して育てる≪ヒナ分け≫を行うことがある。 | 
| キツツキ | 幼鳥は進化した形質を示す。 | |
| アカゲラ | オスの頭頂の赤い部分は一部だけだが、幼鳥は広範囲。 | |
| オオアカゲラ | 頭頂はメスは赤くないが、雛は赤い。 | |
| ミユビゲラ | 頭頂はメスは黄色くないが、雛は黄色い。 | |
| スズメ | 孵化直後は1.8〜2.1g 雛が巣立つまで4,000回以上餌を運ぶ 毎日1.8〜1.9g増加 平均20.3gで巣立ち 成鳥の体重は25.3g | 
| ニュウナイスズメ | 戸隠森林公園で30の巣から雛が巣立つまでに8kgの害虫を食べる。 | 
| セグロカモメ | 実験で別親のヒナと取り替えると、5日齢以上だと受け入れない。 | 
| セグロセキレイ | 巣立った雛は約17日間給餌を受ける。 ♂の雛はその後も給餌を受けられるが、♀の雛は追い出される。 孵化後3ヶ月で若♂は縄張りを確立する必要がある。 | 
| エナガ | 雛は丸裸 | 
| シジュウカラ類 | 眼の上に幼綿羽がある。 | 
| マヒワ | 種子だけで子育て | 
| ベニマシコ | 昆虫で子育て | 
| ミズナギドリ | 雛は皮下脂肪が豊富で、体重が成鳥の二倍になる。 地元では『マトンバード』と呼ばれる。 | 
| ミツユビカモメ | 他のカモメ類と違い、狭く孤立した岩棚で繁殖。 混ざる可能性がない。 そのため、自分のヒナと他のヒナを区別することができない。 天敵に襲われる可能性も低いので、ヒナは目立つ模様をしている。 | 
| 性比 (オスの%) (出生時) | カイウサギ | 56.4 | 
| ヤギ | 55.4 | |
| ネコ | 55.0 | |
| イヌ | 52.2 | |
| ブタ | 51.9 | |
| ハト | 51.5 | |
| ヒト | 50.1〜50.4 | |
| ウシ | 50.1 | |
| メンヨウ | 49.7 | |
| ウマ | 49.5 | |
| ニワトリ | 49.4 | |
| シチメンチョウ | 49.2 | 
寄生バチなどではメスに偏る
ゴケグモではオスが90%以上
| オオヨシキリ雛の性比 | 第一メス | 6割がオス | 
| 第一メス以外 | 6割がメス | |
| 一夫多妻の動物では、優れたオスは多くの子を残せるので、優れたオスになるよう偏った投資を行うものが多い。 オオヨシキリのオスは息子が多い場合ほど、餌運びが頻繁になる。 第一メスでは、オスの給餌が期待できるのでオスを多く産む。 | ||
|  | メス親の年齢 | オス | メス | 
| ハゴロモガラス雛の生残 | 年少 | 少 | 多 | 
| 年中 | 同じ | 同じ | |
| 年長 | 多 | 少 | |
| 若いメス親は経験不足で給餌能力が低い。 オスの雛は多くの餌を必要とし、餌が少ないと餓死しやすい。 | |||
| ウミガラス | 父親は、雛が♂だと給餌量が増える。 | 
| キンカチョウ | 母親は、雛が♂だと給餌量が増える。 | 
| オオヨシキリ | 父親は、巣内の雛の割合が、♂の割合が多いほど高い頻度で餌を運ぶ。 | 
子孫を残せる確率は、♂の強弱による影響が大きい。
| 危険から逃れ、ヒナを運ぶ方法 | |
| クイナ | 嘴でヒナをくわえて運ぶ | 
| ヤマシギ | 両脚の間に挟んで飛ぶ | 
| アメリカヒレアシ | 雄の脇の皮膚には雛を入れるヒダがある | 
| 猛禽類 | 鉤爪でヒナをつかんで運ぶ | 
| シロチドリのヒナの日齢=(体重−6.3)÷0.77 | 
| モズ | 最後の卵を産む一日前に抱卵を開始するので、 最後のヒナは孵化が一日遅れる。 抱卵日数は15日なので、一日違えば6.7%の差となる。 | 
|  | 孵化月 | % | 
| モズ 末っ子係数 | 3月 | 67.9 | 
| 4月 | 81.5 | |
| 5月 | 82.3 | |
| 6月 | 85.4 | |
| 7月 | 69.1 | |
| 最重ヒナに対する末っ子の体重 数字が小さいほど体重差が大きい。 6月は餌が豊富なので差が小さい。 | ||
| 巣立ち体重(成鳥比%) | エトピリカ | 71 | 
| キジバト | 60 | |
| ツノメドリ | 71 | 
| 巣立ち | スズメ | 午前中 | 
| ハシブトガラス | 夕方 | 
| 雛の死亡率の性差は、主に性的サイズ二型を示す鳥類で見られる。 多くの場合、大きい性の死亡率が高い。 | 
| モモイロノスリでは最初に孵化した卵の69%がオス。 オスの雛はメスより成長が遅いので、オスの雛が生き残るための適応。 チョウゲンボウも同様。 ハクトウワシでは偏りがない。オスはメスより成長が早い。 | 
| 卵角 (卵歯) | 雛だけが持つ。 鳥類、爬虫類、昆虫など卵から孵化する動物が卵を内部から割るときに使う鋭い突起。 上嘴先端 卵歯を使って、卵の殻を破る。 孵化後に脱落する種が多い。 | 
|  | 雛 | |
| ホトトギス | ツツドリ | |
| 上面 | 灰黒色(黒褐色) | 黒に近い黒褐色 | 
| 喉、胸 | 灰黒色 | 黒に近い黒褐色 | 
| 腹面 | 横縞がはっきりしている | 横縞が不明瞭 | 
| 翼縁 | 黒と白 | ほとんど白色 | 
| 糞 | 体重が重いと、飛行に不利なので、成鳥はマメに糞をする。 雛は飛ばないので、マメに糞をする必要が無く、まとめて大きな糞をする。 巣立ちが近づくと、糞の大きさが小粒となり、回数が増える。 |