ヒヨドリ

 

ヒヨドリとキャベツ

鳥は空を飛ぶため、体重を軽くする必要がある。

また、空を飛ぶには大きなエネルギーが必要なので、エネルギー効率の高い餌(動物や蜜など)を利用する。

しかし、1970年ごろからキャベツなどの農作物を、ヒヨドリの群れが食害するという例が報告された。

 

留鳥として生活している地つきの個体群ではなく、北海道や東北地方の北方から渡ってきた個体群(エゾヒヨドリ)

(体色が薄い)(常に群れで行動)(声はヒーと細く鳴くだけ)

(採餌中はほとんど鳴かない)

北方から南下してきた個体群は、本来の生活の場である林には、地つきの個体群がすでにいるために入り込むことができず、仕方なく畑で農作物を食い荒らしている。
1970
年以前に農作物に被害が出ていなかったのは、そのころにはまだ、ほかの場所から移動してきた個体群を、受け入れるだけの林があった。

 

カワラヒワでもチンゲンサイの食害記録がある。

ヒヨドリによるキャベツの被害は2月下旬〜3月上旬が最も激しい。

北へ移動する個体よるもので、木の実などを食べ尽くした後。

人が冬季に野菜を栽培しなかった時には、ヒヨドリはもっと南方の、

冬でも木の実の付く地方まで移動した。

1960年代の高度成長期に米作中心から果樹や野菜へ転換し、

人は冬でも野菜が食べられるようになった。

果実食から野菜食へ食性の幅を広げ、

樹上採餌から地上採餌へと行動を変化させた個体群が、

冬季の生存率を高めることができた。

 

渡り

渡りを行うものと、留鳥とがいる。

島に生息する亜種は留鳥だが、亜種ヒヨドリには渡るものもいる。

北海道から渡り始めて九州まで行くのではなく、

関西や中国から渡りが開始され、さらに南へ移動する。

北の地域ほど渡りの始まりが遅い。

ヒヨドリは昼間に渡りを行う。

午前中に多く、雨天では渡らない。

昼間に渡る鳥は、猛禽類に襲われる心配の無い白鳥などの大きな鳥、ツバメなどの速い鳥、そして猛禽類など。

なぜか昼間渡るヒヨドリはハヤブサに襲われないよう、水面すれすれを飛ぶ。

12月頃まで渡りが見られるので、渡りの距離は短いものと思われる。

 

秋には大群を作るが、春の移動では知られていない。

 

分布

日本とその近辺。

朝鮮半島南部、台湾、ルソン島など。

多くは留鳥。

北海道などの北部や山地のものは、南部や低地で越冬。

日本ではどこにでもいるが、

海外では離れ島などに生息し個体数が少ない。

欧米のバーダーが、日本で見たい鳥のひとつ。

ヒヨドリ類の分布はアフリカを中心とした旧世界。

ヒヨドリはヒヨドリ科で最北の種。

 

繁殖

メスのみ抱卵。1314

孵化後1011日で巣立ち。(スズメより短い)

飛べないうちに枝伝いに巣立つのは、他にメジロ、ハシブトガラス

共通点は元々南方地方の鳥。

ジャングルでは、落ちても枝を伝って安全な場所に移動できる。

 

紫外線

頭部は紫外線を反射していて、ヒヨドリには雌雄が違って見えている。

飛行が巧みなので、公園では投げた餌を空中で捕らえ人気だが、

脚を使えないので、果実を食べるとき柄が付いていると苦労する。

小さな果実は一度放り投げてくわえ、食べることも。

オオハシも果実を一度放り投げてから食べる。

舌の先端は毛の束のような形。

花の蜜を吸い取るのに適している。

ヒヨドリジョウゴやヒヨドリバナなどの植物名は、本種名に由来する。

古くからの飼い鳥で、藤原家隆はヒヨドリを寵愛した。

 

冬に餌が少ない年の体重

311

68g

122

92g

餌が少ない冬に備え、脂肪を蓄える。

冬に餌が多い年には体重変化はみられない。

 

 

ホーム

鳥へぇ