糞・尿・ペリット

 

鳥は排便のときに、糞と尿をいっしょに排出

尿

黒い部分

白い部分

食物の消化吸収能力は哺乳類に比べて劣っている。

 

糞のしかた

普通の鳥

尾羽を上げる

キツツキ

尾羽を幹から離す

飛行中の脚の長い鳥(サギなど)

脚を広げる

飛行中のツミは尾羽を上げ、脚を前に出す。

巣にいるサイチョウは狭い隙間から排泄。

 

ハト類

細長く、とぐろを巻くような紐状。一日4g

キジ類

柔らかいペースト状

ライチョウ

直径7mm 長さ2cm

エゾライチョウ

直径58mm 長さ2025mm

ヒシクイ

糞は直径1cm長さ510cmのソーセージ型

クマゲラ

直径1cm弱 長さ4cm

蟻類の外骨格からなる。

カワセミ

23cm 白っぽい

カワセミ類

サギ類

魚食性の鳥は白い液体状

サイチョウ

樹洞の巣は入り口をふさぐ。

糞などを分解する昆虫が同居し、臭いがしない。

ペンギン

アデリーペンギンとヒゲペンギンは、抱卵中に巣から離れずに糞を勢いよく飛ばす。飛距離40cm

糞の、腸内における初速度は2m/s

その際の体内圧力は10kPa60kPa

ノハラツグミ

ノハラツグミの巣に、ワタリガラスが近づくと、ワタリガラスに糞を浴びせる。糞が付着すると羽が劣化してしまう。

 

木が枯れる

サギ山やカワウの繁殖地では木が枯れることが多い。

@葉が糞で汚れ、光合成ができなくなる。

A魚食性なので糞に多量のリンが含まれ、

土壌中の鉄分と結合しリン酸鉄となり、

土が固くなり根からの栄養吸収が困難になる。

 

小鳥

ゼラチン質でパックされた糞を親がくわえて運び捨てる。

親がその場で食べることも。

キセキレイ

始めの頃は親が飲み込む。

その後は水に捨てる。

タカ類

ヒナが巣の外に尻を向けうまく噴射。

ハチクマ

垂れ流し (糞の回数は極端に少ない)

カワセミ類

土の穴の奥に産室があり、

産座から入り口に向け噴射し、土にしみこませる。

ツバメ

雛が巣の外に直接排泄。

コシアカツバメ

雛がゼラチン質でパックされた糞を巣の入り口に置く。

親が糞を捨てる。

糞は食後二時間後位

 

直腸糞

普通の糞

盲腸糞

盲腸の内容物が排泄されたもの。

微生物の作用を受け、臭いが強い。

きめが細かく黒っぽいタール状。

 

腸管内微生物は主に腸管下部においてビタミンを合成するが、

腸管下部であるため、腸管からの吸収はほとんどない。

そこで、糞として排出した後に食べる。

糞食により、腸管内微生物が合成したビタミンの補給となる。

新生児では親の持っている腸内微生物を取り込むことができる。

 

シチメンチョウ、ニワトリ、キジ類、フクロウ類など。

ウサギ、ブタ、コアラなども。

 

鶏糞の無機成分

pH

9.3

EC

12.0

水分

19.2

炭素

17.3

窒素

2.1

燐酸

7.1

カリ

4.7

石灰

23.1

苦土

1.6

ナトリウム

1.1

水溶性塩素イオン

10730

 

家畜糞堆肥

 

水分

(%)

pH

EC

T-N

(%)

炭素率

(C/)

P

(%)

K

(%)

Ca

(%)

14.6

9.1

6.19

3.12

7.5

3.35

3.50

14.84

62.2

8.2

5.03

2.02

18.0

0.93

2.40

1.60

34.9

8.3

4.47

3.22

12.4

2.62

2.26

3.83

 

尿

不要になったたんぱく質は体内で分解するとアンモニアを生じる。

アンモニアは有害なので、早く体外へ排出しなければならない。

水分確保が容易なので、アンモニアをそのまま排出。

両生類

幼生は水中で過ごすのでアンモニア排出。

成体になり、陸上生活を始めると尿素を排出。

陸上哺乳類

尿素として多量の水でうすめて排泄する

(尿素は水に溶ける)

爬虫類

尿酸排出。

鳥類

鳥は水をたくさん飲むと体重が増え、うまく飛べなくなる。

アンモニアを尿酸という物質に変える。

(尿酸は水に溶けないので、それを水に溶かすための水を必要としない)

尿酸の結晶が液体に混ざった状態なのでく見える。

腎臓で水分が再吸収されるので濃度が高く、半流動状。

 

鳥には膀胱が無く、尿管は排泄口につながる。

鳥は水分を大切にするので下痢はしにくい。(多尿はある)

腎臓機能の低下で鳥も痛風になる。

尿素

1g排出するには60mlの水が必要

尿酸

1g排出するのに1.53mlの水で済む

 

 

尿量ml(体重1kg/)

比重

2090

1.015

1030

1.030

20167

1.025

530

1.012

8.628.6

1.0101.030

28

1.0231.045

7

1.0201.060

 

ペリット

筋胃内で作られる。

骨や昆虫のキチン質など、筋胃で不消化物を分別し、胃や食道の筋肉の収縮によって口から吐き戻す。

大きさには幅があり、食べたものの量との相関関係がない。

餌を飲み込んでから八時間後ほど。

緑色は胆汁の色。

植物食の鳥で発達する筋胃は、猛禽類などではあまり発達せず、

骨などは磨り潰されにくい。

ワシタカ類は胃酸が強力なので骨が残りにくい。

ペリットを出す鳥は18目、67科、330種以上が知られている。猛禽類で一般的。

猛禽類、カイツブリ、ウ、サギ、クイナ、シギ、カモメ、アジサシ、アマツバメ、ツバメ、セキレイ、モズ、カワガラス、ツグミ、キクイタダキ、ヒタキ、カラス。

猛禽類

骨、爪、羽、毛

ハチクマ

蜜蝋

カワセミ類

魚の骨

ツグミ

ヒタキ

キツツキ類

甲虫の翅

木の実の種(小さい種子はフンとして排出)

シギ

砂が多く含まれる

コウモリもペリットを出す。

 

ペリット

未消化物をペリットとして吐き出すと

@ 体を軽く保てる

A 消化の能率を高める

B 食道の掃除ができる

 

ペリット排泄までの平均時間

コミミズク

10.22

シロフクロウ

12.02

 

 

長径mm

短径mm

ジョウビタキ

12

6

タカブシギ

17

9

モズ

18.3

9.1

アカモズ

18.8

8.4

コアジサシ

20

8

カワセミ

 

20

10

27

9

チョウゲンボウ

26

18

オオモズ

28

11

ウミネコ

32

24

オオミズナギドリ

40

13

アフリカワシミミズク

40

13

ハシブトガラス

41

16

カワウ

42

24

アオサギ

42

25

50

25

シマフクロウ

41

25

50

40

シマフクロウ

甲虫

20

10

平均

40

20

鳥類

80

40

ハシボソガラス

43

18

50

20

コミミズク

54

25

イヌワシ

80

40

カラス

90

33

コミミズクのペリット重さ4g

オオミズナギドリのペリット重さ2.3g

アフリカワシミミズク(体重520g)のペリットの重さ5g

 

 

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