古今伝授の三鳥

 

解釈を特定の人に伝授

いなおほせどり

稲負鳥

ガン、クイナ、バン、タマシギ、セキレイ、カワラヒワ、スズメなどの説。

秋の季語

バン、クイナ説

黒田長禮

山階芳麿

内田清之助

鷹司信輔

トキ説

清少納言

黒川春村

タマシギ説

中西悟堂

セキレイ説

和泉式部

藤原公實

藤原定家

飯田季治

カワラヒワ説

香川景樹

ニュウナイスズメ説

本居宣長

稲を負っている鳥とも解されるが、稲刈りを課する(催促する)鳥と解釈されてきている。

セキレイの尾の動きが、牛馬に負わせて運ぶ様に似る。

セキレイが鳴く頃、田から稲を背負って家々に運び込む。

秋に稲田を訪問する

夜鳴く

山田もる秋のかりいほにおく露はいなおほせどりの涙なりけり

古今和歌集

あふことをいなおほせ鳥の教へずは人を恋しと惑はざらまし

俊子、千兼を待ちける夜、来ざりければ、さ夜ふけて稲負鳥の鳴きけるを君がたたくと思ひけるかな

からくして急ぎ刈りつる山田かな稲負鳥のうしろめたさよ

我が門に いなおほせ鳥の 鳴くなへに 今吹く風に 雁はきにけり

よみ人知らず

ももちどり

百千鳥

色々な小鳥説

ウグイス説

千鳥説

俳句では春の季語

ももちどりさへづる春は物ことにあらたまれども我ぞふり行く

古今集

我が門の榎の実もり食む百千鳥は来れど君ぞ来まさむ

万葉集

銀の鈴金の鈴ふり天上に千の小鳥は春の歌うたふ

金鈴

百千鳥 百囀りに 山曇る

青木月斗

百千鳥 映れる神の 鏡かな

川端茅舎

よぶこどり

呼子鳥

喚子鳥

カッコウ説

ツツドリ説(中西悟堂)

ヒヨドリ説

アオバト説

ゴイサギ説

アトリ説

猿説

山彦説

俳句では春の季語

晩春に子()を呼び求めて鳴く鳥。

ヨブコヒドリ(呼恋鳥)

鳴く小鳥

ココと子供を呼ぶように鳴く

ハコハコと鳴くところから

人を呼ぶような鳴き声の鳥の総称。(東光治)

霍公鳥=呼子鳥

佐賀県唐津市に呼子という地名がある。

カササギとする説もある。

山陰の一部に≪やまびこ≫を呼子、呼子鳥という地域がある。

万葉集に9

駒なづむ木曽のかけ路の呼子鳥誰ともわかぬこゑきこゆなり

山家集

瀧の上の三船の山ゆ秋津辺に来鳴きわたるは誰呼児鳥

作者不詳

尋常に聞くは苦しき呼子鳥声なつかしき時にはなりぬ

大伴坂上郎女

をちこちのたつきも知らぬ山中におぼつかなくも呼子鳥哉

古今集

むつかしや 猿にしておけ 呼子鳥

室井其角

 

 

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