鳥と虫・虫の防衛

 

 

概要

モデル

擬態種

情報受信者

隠蔽型擬態

自らを目立たなくさせる

植物など

捕食されやすい昆虫

鳥などの捕食者

標識型擬態

 ベイツ型擬態

 ミューラー型擬態

 目玉模様など

自らを目立たせる

 

有毒・危険な昆虫

有毒・危険な昆虫

特徴的な模様・形

 

無毒で弱い昆虫

有毒・危険な昆虫

捕食されやすい昆虫

 

鳥などの捕食者

鳥などの捕食者

鳥などの捕食者

攻撃型擬態

(ベッカム型擬態)

隠蔽しながら

おびき寄せる

植物など

肉食昆虫

捕食される昆虫

サテュロス型擬態

不明確な

モデルに似せる

蛇・げっ歯類

捕食されやすい昆虫

鳥などの捕食者

警告色

(擬態でない)

派手な色や形をする

ない

有毒・危険な昆虫

捕食者全般

 

 

派手な警告色をしているものが多い

記憶力が高く、目が良い鳥類には効果的。

オオカバマダラ

餌 トウワタ属の仲間に含まれるカルデノライド型強心配糖体を身体に備えている

食べると心悸亢進と鬱血性心不全を引き起こす

チャバライカルは毒蝶であるオオカバマダラを食べても平気

ジャコウアゲハ

ウマノスズクサ等の有毒成分を蓄積するが、厳冬期にはヒヨドリなどが食べることも。

スズメバチ

様々な有毒成分

ツチハンミョウ

有毒成分カンタリジン

翅が退化し、飛べない

擬態

ミューラー型擬態

自分たちのグループは有毒であると、同じような警告色で自らの存在をアピールする種が多い。

記憶力が高く、目が良い鳥類には効果的。

スズメバチ類

テントウムシ科

ベイツ型擬態

有毒生物に姿を似せ、天敵から身を守る。

記憶力が高く、目が良い鳥類には効果的。

毒蝶(ジャコウアゲハ)

アゲハモドキ

スズメバチ似

スカシバガ科

テントウムシ似

キボシマルウンカ

ホソクビアリモドキ

隠蔽擬態

枯葉 

コノハチョウ

葉 

ゴマダラチョウ幼虫

ゴマダラチョウ蛹

ハイイロセダカモクメ幼虫

カギシロスジアオシャク幼虫

ナナフシ

樹皮

キノカワガ

コヤガ幼虫

糞 

アゲハチョウ幼虫

石 

カワラバッタ

威嚇誇示

フラッシュカラー

カトカラ属

目玉模様

ウチスズメ

アケビコノハ幼虫

体を覆う

毛虫

アメリカシロヒトリ幼虫

ルリタテハ幼虫

綿

アゲハモドキ幼虫

アワフキムシ

 

悪臭

臭角

アゲハ幼虫(酪酸)

 

カメムシ

 

大声

 

セミ

 

隠蔽色と警告色の生存率は季節によって変化。

警告色では季節が進むにつれ生存率が上昇していったが、シーズン中期になると隠蔽色の生存率がより高くなった。

警告色は、鳥が「この色は毒がある」と知っていることで効果を発揮する。中期というのは、鳥の巣立ち期で、経験のない若鳥が多く、目立つ警告色の生存率は隠蔽色より劣る。

逆に、成鳥だけが活動する前期と、若鳥が経験を積んだ後期では警告色は生存率が高くなる。

 

 

 

ナミアゲハ

キアゲハ

若、中齢幼虫

鳥の糞に似る

鳥の糞に似る

終齢幼虫

柑橘類の葉に似る

セリ科の葉に似る

終齢幼虫は大きいが、鳥の糞は小さいので無理がある。

糞に擬態した場合、大きな幼虫が動くと目立つ。

 

鳥糞イモムシ

スカシカギバなど、体を曲げて静止する幼虫も多い。

真っすぐな姿勢と、折り曲げた姿勢で実験すると、緑色の場合は攻撃に差がなかったが、鳥糞色の場合には折り曲げた姿勢の方が攻撃率が低かった。

 

 

カトカラ属

普段見える前翅は地味で、後翅が派手。

地味な前翅で見つからないようにするが、見つかってしまったら、派手な後翅を見せ驚かせる。

フラッシュカラー

目玉模様

大きい

普段見える前翅は地味で、後翅に目玉模様。

地味な前翅で見つからないようにするが、見つかってしまったら、目玉模様の後翅を見せ驚かせる。

カイコ幼虫とムクドリの実験では、目玉模様が大きいほど襲う確率が低下した。

また、四角や三角と比べても目玉模様の攻撃は少ない。

フクロウに似て見える種もいる。

小さい

ウラナミシジミなど、翅の後ろのほうに目玉模様がある種では、体の前後を見誤らせ、目玉模様の部分だけつつかれ、逃げられることもある。

ビークマーク

ナミアゲハ蛹

本来緑色だが、蛹化する場所がざらざらしていると茶色になる

シャクトリムシ

多くの鳥は、シャクトリムシを偶然発見すると、その後似た形のものをつつく。小枝しか見つからない状態が続くとつつかなくなる。

鳥が枝に止まると揺れるが、枝と虫では揺れ方が異なる。

それに気が付いた鳥はシャクトリムシを専門に狙う。

蛾と異なり、休息時に翅を閉じる種が多い。

翅の裏が地味な種が多い。

仲間の認知を視覚で行うので、翅の表は美しい種が多い。

メスだけ擬態

蝶ではシロオビアゲハなど、メスだけが擬態する種が多い。

メスは体が重く、産卵するのに時間がかかるため、敵に狙われやすい。また、産卵するメスはオスより種にとって重要。

そのために、鳥に襲われにくい擬態型がメスに進化。

蟻に擬態

蟻は鋭い大あごを持ち、攻撃性が強い。

臭い蟻酸を出す。針を持つ種もある。

群れで行動。

鳥に好まれない。

テントウムシ

有毒。

ハムシ、ゴミムシ、キノコムシ、テントウダマシなど、

テントウムシに擬態する虫は多い。

鳥の糞に擬態

鳥の糞は、鳥にとって栄養がなく、感染症のリスクもある。

シロチョウの仲間など多くの幼虫は、腹側の色が薄い。

腹側の色が薄い幼虫は背中を上にして止まるものが多い。

腹側が陰になり、濃くなるが、腹側の色が薄いと立体感がなくなり目立ちにくい。

 

背中を下に止まる種では、背中側が淡色。

群れる

警告色により天敵を遠ざけている種では効果が大きくなる。

悪臭を出す種では群れると効果が大きくなる。

希釈効果

 

鳥の糞に擬態した幼虫

動くと目立つ

体を曲げていると襲われにくいが、まっすぐだと襲われやすい。

ただ緑色なだけの幼虫

動いてもあまり目立たない

立体的だと、自分の影が目立つ。

 

種子・果実食鳥類

自身は種子、果実食でも、雛には昆虫を与える種が多い。

アナホリフクロウ

自分の巣穴近くに、馬糞や牛糞を置く。

食糞性のコガネムシが糞に集まり、その虫をアナホリフクロウが食う。

シロハラオオヒタキモドキ

針を持たない雄蜂だけを常食。

ハチクイ

蜂の腹部を叩きつけたりこすりつけたりして、毒腺から毒を絞り出す。

チャバライカル

毒蝶のオオカバマダラを常食する。

カルデノライドへの耐性を生理学的に備えている。

アメリカコガラ

損傷のある葉を選んで虫を探す。

 

  ヒガラの餌

昆虫

72.4%

 (鱗翅目幼虫)

 (61.3%)

クモ類

25.5%

ヒガラの雛は巣立つまでに生産量68.8gの餌を食べる。

1,500匹の虫に相当。

 

 

ナナフシ

ナナフシの卵が鳥に食べられても消化されず、排泄後に孵化した。

ナナフシは翅のない種が多く、移動能力は低い。しかし、伊豆大島など、陸続きでない場所にも生息する。

鳥の捕食でメスの体内に居た卵が運ばれ、分布域が広がった可能性がある。

研究では、三種のナナフシの卵をヒヨドリに食べさせた結果、520%の卵が無傷で排泄された。このうち、一種(ナナフシモドキ)で孵化を確認した。

 

鳥の巣

ヒロズコガ科

鳥の巣で、羽毛に含まれるケラチンなどのたんぱく質を食べる

ミツボシキバガ科

枯葉食

メイガ科

糞や餌くずを食べる

マルハキバガ科

蘚類、木くずを食べる

 

ペリット

ウスグロイガ

ハイタカのペリットで見つかった

 

 

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