奥の細道
4月5日 栃木県雲巌寺 木啄も 庵はやぶらず 夏木立 寺を突いて壊してしまうという啄木鳥も、尊い聖が住んだ庵ばかりは破らない。 この夏木立が幽明の澄んだ世界をつくっているこのようである。 |
4月19日 栃木県那須町温泉神社 野を横に 馬牽むけよ ほととぎす 那須の広大な野を行く馬の首を、横に引き向けよ。 そこにホトトギスが鋭い声で鳴いて |
5月9日 松島 松島や 鶴に身を借れ ほととぎす (曾良) 松島の絶景の中でホトトギスがしきりに鳴いている。この美しい景色の中では、ホトトギスの姿ではふさわしくない。鶴に姿を借りて来い。 |
6月16日 新潟県象潟 汐越(しおこし)や 鶴はぎぬれて 海涼し 汐越の浜に波が打ち寄せ、そこで鶴があさりをしている。 鶴の長い脛が波で濡れて、海はなんとも涼しそうであることよ。 波越えぬ 契りありてや 雎鳩(みさご)の巣 (曾良) ミサゴは夫婦仲の良い鳥とされているが、波が越えてこない約束を波とでもしているのか、あのように危うい岩の上に巣をつくっている。 |
「奥の細道」旅の期間中の句 |
4月2日 栃木県日光 ほととぎす 裏見の滝の 裏表 |
4月7日 栃木県黒羽 田や麦や 中にも夏の ほととぎす |
4月11日 栃木県黒羽 鶴鳴くや その声に芭蕉 破れぬべし |
4月16日 栃木県那須町 落ち来るや 高久の宿の 郭公 |
4月21日 栃木県須賀川 関守の 宿を水鶏に 問はうもの |
芭蕉の句
笈の小文 |
雲雀より 空にやすらふ 峠哉 |
須磨のあまの 矢先に鳴くか 郭公 |
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鷹一つ 見付てうれし いらご崎 |
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ほとゝぎす 消行方や 嶋一つ |
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星崎の 闇を見よとや 啼千鳥 |
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続山井 |
岩躑躅 染むる涙や ほととぎ朱 |
しばし間も 待つやほととぎす 千年 |
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冬扇一路 |
雲とへだつ 友かや雁の 生き別れ |
六百番俳諧発句合 |
待たぬのに 菜売りに来たか 時鳥 |
俳諧江戸十歌仙 |
塩にしても いざ言伝てん 都鳥 |
俳諧おくれ双六 |
郭公 招くか麦の むら尾花 |
俳諧東日記 |
五月雨に 鶴の足 短くなれり |
鶴来酒 |
鶯や 餅に糞する 椽の先 |
笈日記 |
五月雨に 鳰の浮巣を 見に行む |
刈り跡や 早稲かたがたの 鴫の声 |
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この宿は 水鶏も知らぬ 扉かな |
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榎の実 散る椋の羽音や 朝嵐 |
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水鶏啼くと 人のいへばや 佐屋泊り |
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盃に 泥な落しそ 群燕 |
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嵯峨日記 |
うき我を さびしがらせよ かんこどり |
一日一日 麦あからみて 啼く雲雀 |
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能なしの 眠たし我を ぎやうぎやうし |
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ほとゝぎす 大竹藪を 漏る月夜 |
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藤の実 |
郭公(ほととぎす) 声横たふや 水の上 |
続深川集 |
我がためか 鶴食み残す 芹の飯 |
猿蓑 |
病雁の 夜さむに落て 旅ね哉 |
雲雀鳴く 中の拍子や 雉子の声 |
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鶯の 笠落したる 椿かな |
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桐の木に 鶉鳴くなる 塀の内 |
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闇の夜や 巣をまどはして 鳴く鵆 |
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続猿蓑 |
稲妻や 闇の方行く 五位の声 |
鶯や 柳のうしろ 藪の前 |
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鶏頭や 雁の来る時 なほあかし |
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けごろもに つつみて温し 鴨の足 |
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野ざらし紀行 |
草まくら 犬もしぐるゝか 夜の声 |
冬牡丹 千鳥よ雪の 時鳥 |
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海くれて 鴨の声 ほのかに白し |
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花摘 |
何に此 師走の市に ゆくからす |
蛇食ふと 聞けばおそろし 雉子の声 |
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泊船集 |
菜畠に 花見顔なる 雀哉 |
俳諧一橋 |
花咲きて 七日鶴見る 麓哉 |
色杉原 |
かくれけり 師走の海の かいつぶり |
虚栗 |
鶯を 魂にねむるか 嬌柳 |
清く聞かん 耳に香焼いて 郭公 |
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時鳥 正月は梅の 花咲けり |
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五十四郡 |
戸の口に 宿札名乗れ ほととぎす |
続の原 |
花に遊ぶ 虻な喰ひそ 友雀 |
続虚栗 |
永き日も 囀りたらぬ 雲雀かな |
鸛の巣も 見らるる花の 葉越し哉 |
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原中や 物にもつかず 鳴く雲雀 |
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焦尾琴 |
鸛の巣に 嵐の外の 桜哉 |
俳諧漆島 |
鳩の声 身に入みわたる 岩戸哉 |
阿羅野 |
父母の しきりに恋し 雉子の声 |
おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな |
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炭俵 |
木がくれて 茶摘も聞くや ほとゝぎす |
鶯や 竹の子藪に 老を鳴く |
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鹿島紀行 |
ほととぎす 今は俳諧師 なき世かな |
刈りかけし 田づらの鶴や 里の秋 |
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千鳥掛 |
よき家や 雀よろこぶ 背戸の粟 |
西華集 |
雁さわぐ 鳥羽の田づらや 寒の雨 |
真蹟短冊 |
時鳥 鰹を染めに けりけらし |
ほととぎす 鳴くや五尺の 菖草 |
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真蹟懐紙 |
いらご崎 似るものもなし 鷹の声 |
鷹の目も 今や暮れぬと 鳴く鶉 |
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鵲尾冠 |
夢よりも 現の鷹ぞ 頼もしき |
真蹟自画賛 |
枯枝に 烏のとまりたるや 秋の暮 |
白馬集 |
四方より 花吹き入れて 鳰の波 |
伝真蹟画讃 |
曙は まだ紫に ほととぎす |
卯辰集 |
橘や いつの野中の 郭公 |
己が光 |
京にても 京なつかしや ほととぎす |
怒誰宛書簡 |
雁聞きに 京の秋に 赴かん |
伊賀産湯 |
千鳥立ち 更け行く初夜の 日枝颪 |
俳諧鷹獅子集 |
ひごろ憎き 烏も雪の 朝哉 |
俳諧翁艸 |
比良三上 雪さしわたせ 鷺の橋 |
親戚懐紙 |
稲雀 茶の木畠や 逃げ処 |
陸奥鵆 |
杜鵑 鳴く音や古き 硯箱 |
俳諧深川 |
節季候を 雀の笑ふ 出立かな |
芭蕉句選拾遺 |
鶴の毛の 黒き衣や 花の雲 |
俳諧別座敷 |
木隠れて 茶摘みも聞くや ほととぎす |
韻塞 |
雀子と 声鳴きかはす 鼠の巣 |
烏賊売りの 声まぎらはし 杜宇 |
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住吉物語 |
世に匂へ 梅花一枝の みそさざい |
あつめ句 |
水寒く 寝入りかねたる 鴎かな |
ほととぎす 鳴く鳴く飛ぶぞ 忙はし |
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一疋のはね馬もなし河千鳥 |
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かんこ鳥われも淋しいか飛んで行 |
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草の葉を落るより飛ぶ鶯かな |
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塒せよわらほす宿の友すゞめ |
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一聲は江に横たふやほとゝきす |
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松光る山に興ありかんこ鳥 |
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名月や鶴脛高き遠干潟 |