落語

 

鶯のほろ酔い

飼っている鶯の声が評判となり、人を集めて披露することになった。

鶯に「良い声で鳴けよ」と言いつけると、鶯が「ここ二、三日寒くて、気が浮き立たないから鳴けません」

そこで景気づけに鶯に一杯飲ませ、ほろ酔いかげんで鳴かせようとすると、「酒で喉が渇いたからお茶を一杯」

茶は冷めていたので、酒の燗をした湯を飲ませると、「舌を火傷した」と、手水鉢のある縁側へ。

主人、「こら、どこへ行く」

「あんまり熱いので埋め()に行きます」

鶯宿梅

養子になった若旦那が、「養子くさい」と言われ、養子がいやになり仲人に離縁を申し出る。

仲人から、「鶯宿梅」の聞き違いと言われ納得する。

しかし、芸者に故事の由来を話すが、付け焼刃で支離滅裂になり、「大しくじり倍だ」

オウム

鸚鵡返し

礼儀を知らない若者。ご隠居から、「挨拶ぐらいしなさい、相手と同じようにしたらいい」と言われる。

見知らぬ人にも同じ行為をし、相手は気味悪がって逃げる。

それでも追いかけるので、相手は川に飛び込んだ。

若者も飛びこむが、「しまった、俺、金槌やった」

鉄砲勇助

鉄砲のように、次々に嘘をつく男。

「北海道は寒い、田圃に鴨が降りる、そのとき寒風が吹き凍る。鴨は脚が固定され動けなくなる。そこへ猟師が鎌で鴨の脚を切る。残った脚は春になると芽が出て一羽の鳥に成長する。しかしその鳥は鴨でなく、鴎(鴨芽)だ」

カラス

明烏

倅があまりにも堅物で、心配した日向屋半兵衛、遊び人の源兵衛に倅を吉原に連れて行ってもらう。

吉原は恐ろしい所と信じ込んでいる若旦那をだまして吉原へ。気が付いた若旦那、帰ろうとするが「勝手に出ると袋叩きにあいますよ」と源兵衛に言われ、しかたなく一夜を明かす。

 

翌朝、源兵衛が若旦那を迎えに行くが、若旦那は布団から出てこない。あきれて源兵衛が先に帰ろうとすると、「先に帰れるものなら帰ってみなさい、大門で袋叩きにあいますよ」

「明烏」=明け方に鳴くカラス。男女の交情の夢を破るつれないもの。

小烏丸

抜くとカラスが集まって来るという名刀、小烏丸。

最後に小烏丸を抜くとカラスではなく雀が来た。

良く見ると竹光でした。

三枚起請

女郎が三人に起請文を渡す。「起請文に嘘を書くと熊野のカラスが三羽死ぬ」と問い詰めると、「カラスを殺して、ゆっくり朝寝がしてみたい」

「三千世界の烏を殺し主と朝寝がしてみたい」という都々逸を踏まえている。

鍬烏

農夫が畑に鍬を忘れて帰りかけたが、カラスが「クワクワ」と鳴いて教えてくれた。

家に帰ると庭で飼っている鶏が「クウクウ(食う)」と鳴く。

農夫が、「餌も与えないカラスが鍬を忘れた事を教えてくれた。それなのにお前は人の顔を見るとすぐ餌を欲しがる」と怒ると、鶏が「トッテコウカ」

雁とり

怠け者の八五郎、楽して儲かる算段はないかと御隠居のところに相談に行った。「不忍池に行き、眠っている雁を捕まえ売れ」と言われ不忍池へ。

八五郎はかたっぱしから雁を捕まえ、腰へ紐で結びつけた。ところが雁が目を覚まし一斉に飛び上がり、八五郎も一緒に天高く舞いあがった。そのうち紐がゆるみ、落っこちるが、運よく五重塔に引っかかる。

これを見た寺の坊さんたちは布団の四隅を持ち、八五郎に飛び降りさせた。

八五郎が飛び降りると、布団がつぼまり、坊さんが真ん中でゴッツン。そのとき目から火花が散り、布団が燃え八五郎は焼け死んでしまった。

上方落語では似たような「鷺とり」がある。

雁風呂

屏風絵が、松に雁。「雁風呂」の講釈で金が返してもらえる。

「雁(かりがね)の話をして借金(かりがね)が返った」

蘭方医者

腹に虫が湧いたので、蘭方医者に診てもらう。「蛙を飲めば虫を食べてくれる」と言われ、指示に従うが、患者は蛙の格好をするようになる。そこで蛇を飲ませると、今度は蛇のポーズをとる。雉を飲ませると羽ばたきをする。

そこで助手に鳥刺しの扮装をさせ患者の腹に入れ、雉を捕まえて出てくるが、雉を入れる籠をわすれた。

「わしでは手に負えん、外科に行ってくれ」

孔雀

椀取り

見世物小屋、「一間(1.8m)の大イタチ」の口上につられお金を払って入ると一間の板に血が付いているだけ。

隣の小屋では「白い孔雀」と言うので、入ると九尺(2.7m)の白い晒。

コウノトリ

(作 笑福亭仁智)

娘が子宝に恵まず、相談すると「鸛は泥鰌が好物、そういう環境を作れ」と言われ、努力が実り男児が誕生。

男児は農業に従事した。

それを聞いて、「鸛が授けてくれた子や、やっぱり土壌(泥鰌) が好きや」

抜け雀

絵から雀が飛び評判に。絵師の父親が籠を描き足す。

絵師が来て、自分は親不孝だと嘆いた。

「親を籠描き(駕籠かき)にしてしまった」

「駕籠かき」が、雲助と言われ嫌われていた時代。

つる

「ご隠居、今日はひとつ教えていただきたいことがあるんで」「八つぁんか、今日は何かな?」「ツルってぇ鳥は、どうしてツルってゆうんですかい」「それはだな、オスがツーと飛んで、後からメスがルーと飛んで来て松に止まった」

さっそく友達に教えようとするが、「オスがツルーと飛んで」とやってしまい、あとが続かない。もう一度ご隠居のところに行って聞き直した。

「今度はでーじょうぶ、よーく聞けよ、初めにオスがツーと飛んで来て、松にルっと止まったんだ、そしてメスが・・・」「メスがどうした」「うーん、黙ってた」

通い鳶

通い帳を鳶に盗られた男、あわてて油屋に駆け込み「鳶が来ても、何も売らんように」。

べかこ鶏

殿様の屋敷に招待された噺家、腰元にべかこ(あかんべ)をし、罰として柱に縛りつけられる。鶏が東天紅と鳴くまで帰れない。

早く帰りたいので、衝立に描かれた鶏に「東天紅と鳴いてくれ」と頼むと、鶏は「ベカコー」。

白鳥

白鳥の死

銭湯の脱衣場で男がバレエの稽古。

男が帰ると、客の一人が「そやけど、垢抜けせん奴やな」、

もう一人が、「そやから銭湯に来たんやないか」。

 

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