卵生

胎生の鳥がいない訳

 

脊椎動物の綱で、胎生の種が一種もいないのは鳥類だけ。

 

飛行の制約

飛行に大きな負担が掛かり、胎生になれない。

反論

コウモリは、体重の4044%の重さの胎児を抱えて飛行する。

渡り鳥は2030%、時には100%にもの蓄積脂肪を抱えて飛行する。

飛べない鳥には全く関係がない。

 

性ホルモン

哺乳類の場合、性染色体がxyだと♂、xxだと♀。

子宮の中の胚は胎盤で母体とつながり、酸素や栄養素を受ける。

胎児が♂の場合、母体の雌ホルモンがメス化させてしまう危険性があるが、胚の中のy染色体がメス化から守る働きをする。

 

鳥の場合、zw(性染色体をホモで持つと♂、ヘテロで持つと♀)

zo(♀が性染色体の一部を欠く)の性決定様式。

もし鳥が胎生になると、♂の胎児を雌ホルモンから守るものが

ないので、♀ばかり生まれる危険がある。

反論

蛇類も鳥と同じzw型の性決定様式だが、

2,300種の蛇類では20%の胎生が知られている。

 

胎児は異物

母体と胎児の抗原抗体反応の問題で、

鳥には、母体の免疫系が体内の異物である胎児に、

悪影響を及ぼさないようにする仕組みが存在しない。

反論

現在、卵で産まれるから必要ないだけ。

 

呼吸

卵には気室と呼ばれる部分に空気があり、

ヒナは殻を破って出てくる前に、気室の空気で肺呼吸の

『慣らし運転』を行い、肺呼吸への転換に重要。

反論

ツカツクリ類は卵内に気室を持たない。

ヒナが孵化するまで、肺は機能しないが、

孵化と同時に肺呼吸を行える。

気室の有無は決定的な問題ではない。

 

体温

卵が孵化するための適温は3438

鳥の体温は41

高温は孵化を阻害し、死亡率を高める。

反論

胎生に進化すれば、胚も親の体温で正常に発達できるように進化する。

 

胎生の欠点

繁殖能力の減少

母親の死亡率の高さ。

父親が子育てに関わる可能性が減少。

 

トカゲの一種、イエローベリー・スリートード・スキンクは温暖な地に生息する個体は卵生だが、寒冷な山岳地帯に生息する個体はほとんどが胎生。

産卵されただけでは低温により発生が困難な環境でも、胎生なら母体が日光浴などで体温を一定以上に保つことにより、胚発生に必要な温度が得られる。

 

産卵後、体外で受精

イモリ

産卵前に体内で受精。

産卵後に卵割が始まる。

鳥類

体内で受精された卵は、何回かの卵割が進んでから産卵される。

 

卵が産卵された後に発生を開始する場合を卵生。

受精卵が発生を開始した後に産み出される場合を胎生と定義する時、

卵割の開始をもって発生の開始とすれば、大多数の鳥類は、

卵生とみえても、実は胎生とも言うこともできる。

 

主竜類

翼竜、恐竜、ワニ、鳥類には胎生の種がいない。

 

 

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