ルリビタキ


地味ルリビタキ
小鳥の多くは『第一回夏羽』=『成鳥夏羽』なのに、ルリビタキでは♀のような♂
がいる。
第一回夏羽で青色が出て、初列風切外弁まで青くなるのに4年かかる。
羽色の発現が遅れる現象を羽衣成熟遅延(遅延羽色成熟=DPN)と呼ぶ。
春には換羽しない。
幼鳥と第一回冬羽では上嘴の内側が灰色。
幼鳥 ♂は小雨覆に青味が混じる。
第一回冬羽 秋の部分換羽で上尾筒を含む体羽と小雨覆、中雨覆、大雨覆、を換羽。
雌雄とも上面がオリーブ褐色。
腰から尾にかけての青味が♀より濃い。
脇のオレンジ色が♀より鮮やか。
小雨覆、はっきりと赤い色が確認できれば♂。
♂でも脇のオレンジ色が淡い個体や、♀でも小雨覆が赤い個体も。
第一回夏羽 虹彩 第一回冬羽までは灰褐色。
これ以降では赤褐色
上嘴内側 ♂の方が黒い傾向。
第二回冬羽 この羽衣が決定羽で成鳥羽となる。
頭部からの上面に青い羽が多く、白い眉斑も現れる。
(中には第三回冬羽になって小雨覆に青が出る個体も)
褐色の羽縁が混じり、風切も褐色。
これ以降、尾羽は幼羽より先端が太く、丸みを帯びる。
第三回夏羽 成鳥に近くなるが、上面や風切に褐色の羽が残る。
第四回冬羽 完全な成鳥羽となる。
上面や風切が光沢のある青色となる。
(初列風切の外縁にまで青い羽が認められる状態)
個体により、前後一年ほどの幅がある。
理由 @ エネルギーが多く必要なので、節約しながら羽を少しずつ入れ替え。
A 繁殖の機会が少ない若い♂は目立たない方が有利。
B ♂型の羽色を持つと冬の生存率が低下。
C ♀のふりして他の♂の縄張りに入り、つがい外交尾をする。
   《反論》♂には♀に見え、♀には♂に見えなければならない。
D 争いを避けるため、『自分は弱い』事を宣言している。
地味な♂でも、♀は同じように選ぶ。
♂は、青色同士や褐色同士の場合に争いになりやすい。
第一回夏羽から繁殖可能。


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鳥へぇ