和歌の旅
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宮城県 |
塩釜 |
塩釜の 煙にまよふ 濱千鳥 おのが羽がゐを なれぬとやなく 源俊頼 |
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しほがまのうらみて渡る雁がねをもよほしがほにかへる浪かな 藤原定家 |
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松島 |
松嶋の磯にむれゐる葦鶴のをのがさまざま見えし千代かな 清原元輔 |
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松島雄島 |
たれをまた夜ふかき風にまつしまやをじまの千鳥こゑうらむらむ 藤原定家 |
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あなしふく 雄島が磯の 濱千鳥 いはうつ波に たち騒ぐなり 源俊頼 |
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末の松山 |
ほととぎす末の松山かぜ吹けば波こす暮にたちゐ鳴くなり 源俊頼 |
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福島県 |
阿武隈川 |
我が君にあふくま川の小夜千鳥かきとどめつるあとぞ嬉しき 藤原定家 |
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思ひかね妻とちどり風さむみあふくまがはの名をや尋ぬる 藤原定家 |
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信夫 |
ほととぎすなほ初声を信夫山夕ゐる雲のそこに鳴くなり 守覚法親王 |
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茨城県 |
筑波山 |
筑波嶺に我が行けりせばほととぎす山彦響め鳴かましやそれ 高橋虫麻呂 |
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筑波嶺にかか鳴く鷲の音のみをか泣きわたりなむ逢ふとはなしに 万葉集東歌 |
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名坂 |
世の人のねさめせよとて千鳥なく名坂のさとのちかきはまへに 西行法師 |
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埼玉県 |
小埼沼 |
埼玉の小埼の沼に鴨そ翼霧る己が尾に降り置ける霜を払ふとにあらし 高橋虫麻呂 |
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武蔵野 |
誰が方による鳴く雁の音にたててなみだうつろふ武蔵野の原 藤原定家 |
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東京都 |
隅田川 |
隅田川ふるさと思ふ夕暮れに鳴くねも添ふるみやこどりかな 藤原俊成 |
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神奈川県 |
箱根山 |
玉くしげ箱根の山の郭公むかふの里に朝な朝な鳴く 源実朝 |
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新潟県 |
鳥屋野 |
はしたかの鳥屋野のあさちふみわけておのれもかへる秋のかり人 順徳天皇 |
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石川県 |
白山 |
しらやまや猶ゆきふかき越路には帰る雁にや春を知るらむ 藤原俊成 |
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長野県 |
菅平 |
信濃なる須賀の荒野にほととぎす鳴く声聞けば時すぎにけり 万葉集 |
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愛知県 |
矢作川 |
矢作川弓張月のかげさして清き流れに千鳥なくなり 源清綱 |
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三重県 |
伊勢 |
風寒み伊勢の濱萩分け行けばころもかりがね浪に鳴くなり 大江匤房 |
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神路山 |
古巣いでて心たかくもうつるなる神路の山のうぐひすのこゑ 藤原俊成 |
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松原 |
いもに恋ひ吾の松原みわたせば潮干のあ潟に鶴なき渡る 聖武天皇 |
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二見の浦 |
たまくしげ二見の浦にすむちどりただあけくれはねをのみぞなく 源俊頼 |
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奈良県 |
奈良 |
あおによし奈良の都は古りぬれどもとほととぎす鳴かずあらなくに 大伴家持 |
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春日山 |
いつしかとたか木にうつれかすが山谷の古巣をいづる鶯 藤原俊成 |
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竹田 |
うち渡す竹田の原に鳴く鶴の間な時無しわが恋ふらくは 大伴坂上郎女 |
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池上 |
池神の力士舞かも白鷺の桙啄ひ持ちて飛び渡るらむ 長意吉麻呂 |
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百済 |
百済野の萩の古枝に春待つと居りし鶯鳴きにけむかも 山部赤人 |
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磐瀬の杜 |
神奈備の岩瀬の杜の呼子鳥いたくな鳴きそわが恋まさる 鏡王女 |
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佐保川 |
佐保川の清き河原に鳴く千鳥河鹿と二つ忘れかねつも 万葉集 |
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明日香村 |
ほととぎす夕ぐれもひくき明日香野やわかふるさとはひをともしけり 釈迢空 |
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吉野 |
吉野なる夏実の河の河淀に鴨ぞ鳴くなる山影にして 湯原王 |
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京都府 |
田原 |
夕ぐれに田原の嶺を越え行けばすごくきこゆる山鳩のこゑ 西行法師 |
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大阪府 |
五月山 |
五月山こずえを高みほととぎす鳴く音そらなる恋もするかな 紀貫之 |
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兵庫県 |
昆陽池 |
冴る夜はよその空にぞ鴛鴦も鳴く凍りにけりな昆陽の池水 西行法師 |
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猪名川 |
千鳥なくゐなの河原を見るときは大和恋しく思ほゆるかな 紀貫之 |
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淡路島 |
淡路島ちどりとわたる聲ごとにいふかひもなくものぞ悲しき 藤原定家 |
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須磨区関守 |
あわぢしまかよふちどりの鳴く声にいくよねざめぬ須磨のせきもり 源兼昌 |
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和歌山県 |
玉津島 |
玉津島わかの松原ゆめにだにまた見ぬ月に千鳥なくなり 源実朝 |
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吹上の浜 |
月ぞ澄む誰かはここに紀の國や吹上の千鳥ひとり鳴くなり 摂政太政大臣良経 |
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衣でにうらのまつかぜさえわびてふきあげの月にちどりなくなり 源実朝 |
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浦風に吹上のはまの濱千鳥なみたち来らし夜半に鳴くなり 祐子内親王家紀伊 |
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和歌の浦 |
和歌の浦に月の出しほのすままによる啼く鶴の聲ぞかなしき 慈円 |
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芦鶴のこれにつけても音をぞ鳴く吹きたえぬべき和歌の浦風 藤原定家 |
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たらちねの心をしれば和歌の浦や夜ふかきつるの声ぞ悲しき 藤原定家 |
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和歌の浦の風にたちそふ友鶴の君が千歳に逢ふぞうれしき 藤原俊成 |
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若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る 山部赤人 |
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三輪崎 |
三輪の崎夕汐させばむら千鳥佐野のわたりに声うつるなり 藤原実家 |
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真土 |
こぬ人を真土の山の郭公ぎすおなし心に音こそ流るれ 拾遺集 |
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熊野 |
五月雨を幣に手向けてみ熊野の山ほととぎす鳴きとよむなり 源実朝 |
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岡山県 |
日比港 |
敷き渡す月の氷を疑ひて篊(ひび)の手まはる味鴨の群鳥 西行法師 |
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香川県 |
引田 |
あら鷹のしたも引田の浦なればおきへにかかる白鳥のまつ 西行法師 |
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福岡県 |
箱崎 |
筥崎のいそへの千鳥親と子となきにし声をのこすから船 仙厓和尚 |
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志賀 |
かしふ江にたづ鳴き渡る志賀の浦に沖の白浪立ちしくらしも (遺新羅使人) |