ツバメ

 

紫外線

羽毛からの紫外線反射の強さが雌雄で異なり、雄の方が頭頂部で10%明るい。

ツバメは紫外線を感知できるので、ツバメには色で雌雄が判別できている。

背中の金属光沢が、モテるオスの要素。

目

鮮明に見える部分が4つ存在。(鷹や隼と同様)

両眼視できる範囲が狭い。(鷹や隼と同様)

喉

オスの喉はメスより赤い。

喉の赤が大きく濃いオスほど数多く繁殖を行い、多くのヒナを育てた。

赤色色素にはフェオメラニン10mg/g、ユーメラニン3.0mg/gが含まれる。

より多くのメラニンを合成する♂は十分な餌をとる遺伝的な能力を示している。

下顎の骨

普通の鳥は三角だが、口幅が広くなるよう五角形。

翼

高アスペクト比で、翼の割に軽いので、普通の小鳥より60%程少ないエネルギーで飛翔できる。

尾羽

尾羽は方向舵として働く。

長い尾は急旋回が可能。

扇形の尾羽では空気抵抗が大きすぎ、表面積の小さい燕尾は空気抵抗を減らすのに最適。

外側尾羽が長いと急旋回に有利。

しかし、外側尾羽が長いほど速度や加速度といった別の飛翔性能が失われる。

寄生虫の多いオスは尾羽の成長が悪かったり、左右対称にならない。

寄生虫が多いとヒナの成長が悪い。

メスは尾羽の長い、左右対称なオスを好む。

オスのほうが尾羽が長い。(約16%)

欧州のツバメ

♂は抱卵しない。

高密度で繁殖

婚外子が多い(30%) 性的魅力が重要(尾羽の長さ)

精子が大きい(競争により、遊泳速度の高い精子が有利)

♂は抱卵しない

尾羽の長いオスほど、メスにもてる(欧州の個体群で顕著)。

尾羽がきちんと対称なほどもてる。

♂は日本のツバメより尾が長い。

日本のツバメ

♂も抱卵する。

低密度で繁殖

婚外子が少ない(3%) 資源防衛が重要(羽色)

精子が小さい(競争が少ないので省エネ)

♂も抱卵(抱卵時間の6%) 対捕食者行動

抱卵により、尾羽が折れたり、擦り切れたりするので、尾羽の長さより、喉の赤の濃さや太っているかどうかが重要。

喉の赤い部分は欧州の雄ツバメの二倍以上の面積。

尾羽の白斑が大きい♂ほどもてる。

換羽

期間

4.5〜6.5ヶ月

 

元々は大型草食動物が生息する草原に分布。

岩壁や土の崖に営巣していた。

 

季節風

春の気温が高めの年には、飛来も早め。

単に気温だけの問題ではなく、そのような年には

冬に発達していたシベリア高気圧の衰えも早く、

向かい風となる北西の季節風が和らぎ、

替わって南よりの風が吹くようになるから。

 

渡りの時期が気象に影響されるのは、

昼に渡る鳥に多い。

夜間に渡る鳥は気象に影響されにくく、

渡りの時期は毎年ほぼ一定。

 

帰巣

ツバメは帰巣本能が強い鳥。

成鳥は47%の帰還率。

オスはメスより帰巣率が高い。(オス47%、メス33%)

近親交配を避けるため、前年生まれのツバメの帰還率は低い(0.5%)。

前年生まれのツバメの♀は♂より遠くに行く。

離婚

離婚率65%

オスの到着後、5日以内にメスが到着すれば前年と同じペアで繁殖。

10日以内でも半数が同じペアで繁殖。

10日以上だと別の相手と繁殖。

オスよりメスが早く到着した場合は全て離婚。

渡来

平均気温が9度前後になる頃に渡来する。

日本だけでなく、ヨーロッパでも。

関東以南では最低気温が10度以上になる頃。

それ以外の地方では5〜8度位。

海上では一日300kmほど移動できる。

日本に来て、一日20〜30kmほど北上。

100m高くなるごとに3〜9日遅れる。

昼間、海面すれすれの低空。

普通の鳥と違い、餌を採りながら渡りを行えるので、体に多くの脂肪を蓄える必要が無い。

一羽ずつ渡る。

海岸に着き、川沿いを内陸部に入る。

3月10日 九州

3月11日 四国

3月13日 中国

3月14日 近畿

3月17日 中部

3月11日 東海 

3月14日 関東

3月26日 東北

4月19日 北海道

春は短期間で渡る。(7日で3,000km)

渡来期間は2.5ヶ月

日本に飛来するツバメは約500万羽

渡去

渡去は東北以北で10度以下。

関東などでは15度以下。

西日本、東海地方で20度以下。

バラツキが有る。

渡去前に10〜15%ほど体重が増加。

渡去期間は1.5ヶ月

逗留期間

北海道東北部

120日

九州南部

230日

 

巣作り

雌雄で行うが、内巣は雌のみ。(一週間位)

古巣を利用する時もある。(三日位)

雄は古巣を利用したがるが、決定権は雌にある。

泥とワラを交互に口にくわえ、運ぶ。

営巣の際に唾腺から膠着物質を分泌する。

産卵の二日前に羽根を巣に入れる。

元々、草原に生息し、岩壁や土の崖に営巣。

原始的な種(ショウドウツバメなど)は穴を掘る

泥巣を作るものほど進化。

ツバメ→イワツバメ→コシアカツバメと複雑化

卵

1.8g

最初の卵は濃色、最後の卵は薄い。

一斉抱卵

ヒナ

孵化直後の体重1.5g

DNA鑑定で、番い外父性のヒナの割合は26.6%

孵化後二週後が体重のピーク。親より重くなる。

下半身が早く発達。

翼の発達は最後。

抱卵

メスが94% (ヨーロッパではメスが100%)

給餌

雌雄半々

雛の糞

初めは親が捨てる。

10日ほど経つと、雛が尻を巣の外に向けて糞をする。

配偶者防衛行動

メスが交尾を受け入れて卵を産むことができる期間、オスはメスに付きまとう。

浮気

DNAを調べると、雛の15%がその巣のオスとは違っていた。

子殺し

配偶者を得られなかったオスが、繁殖しているメスに自分の子供を産ませるために、そのメスの子を殺す行動。

子供を失ったメスは再び発情する。

性比がオスに偏っている場合に多い。

その年の一回目の繁殖に行われる。

巣立ち

孵化後三週間で巣立ち。

同じくらいの体の大きさの鳥と比べて1.5倍の長さ。

繁殖回数

関東では1シーズン2回が6割

1回が4割

稀に3回

欧州では北方では1回、南方ほど多い。

 

囀り

チュルリチュルリ、ジャー

警戒

ツピッ

♂が♀を誘導

ジューイジューイ

夫婦、親子の鳴きかわし

チャッ

囀りが頻繁、複雑、テンポが速い、レパートリーが豊富なオスがモテる。

 

越冬ツバメ

茨城県以西で知られる。

大陸からの亜種アカハラツバメが多数混じっている。

二月に茨城県で標識放鳥したものが、五月にサハリンで見つかった。

 

北海道で放されたツバメがジャワ島で確認された。

エジプト産亜種は渡りをしない。

大きな餌を好む。(大きな餌の方が、筋肉が多く、栄養価が高い)

雛への給餌等、脳の発達に重大な時期に、水生植物由来のオメガ三リン酸が多く含まれるカワゲラやトビケラ等を積極的にとる。

大発生したオスの蟻を地上で採餌するときもある。

 

ツバメの種類

17属 47種

 

種数

固有種

エチオピア区

36

29

新熱帯区

26

16

東洋区

13

4

新北区

10

0

旧北区

9

0

オーストラリア区

7

4

エチオピア区がツバメの起源か。

 

日本のツバメ

ツバメ属

イワツバメ属

ショウドウツバメ属

ツバメ

リュウキュウツバメ

コシアカツバメ

イワツバメ

ショウドウツバメ

 

ショウドウツバメ

渡りの観察例は秋に多い。

春は大陸沿いを北上するものと思われる。

イワツバメ

巣作りは雌雄共同で行うが、産座はメス。

古巣を利用するペアは年二回繁殖。

新しい巣を作るペアは一回。

若いペアは新しい巣を作る。

古巣を利用した鳥にはシラミバエなどの寄生虫が多い。

二回繁殖する場合には、一回目に巣立った若鳥が繁殖を手伝う例が報告されている。

古巣利用の方が繁殖成功率は高い

抱卵斑は♀のみだが、♂も抱卵。

一斉抱卵だが、

順次抱卵も一回目繁殖で5.8%、二回目で17.4%あった。

コシアカツバメ

ツバメより遅く日本に飛来

ツバメより尾が長く、滑空が多い。

 

 

巣

卵

ツバメ

開放型

卵型

褐色の斑点がある

コシアカツバメ

中が暗いつぼ型

球に近い

白

イワツバメ

深いカップ型

球に近い

白

ショウドウツバメ

崖に横穴

球に近い

白

 

 

尾羽の枚数

趾

ツバメ科

12枚

前3  後ろ1

アマツバメ

10枚

前4  後ろ0

 

 

スズメ

ツバメ

アマツバメ

翼開長

23cm

32cm

45cm

上腕骨

17mm

15mm

12mm

手根中手骨

11mm

14mm

 

 

 

ツバメ

 

♂

♀

外側尾羽

長い

長くない

尾羽の白斑

大

小

 

 

色素

♂

♀

喉

ユーメラニン

3.8

2.7

フェオメラニン

38.1

24.6

胸

ユーメラニン

1.4

1.0

フェオメラニン

2.2

1.5

尻

ユーメラニン

2.4

1.6

フェオメラニン

3.8

1.6

 

 

喉の赤い部分

尾羽の白斑

北海道、東北

小さい

大きい

九州

大きい

小さい

南国では、良い縄張りなら2〜3回繁殖できるので、コストをかけても有利。

 

羽ばたきのサイクル(秒)

スズメ

0.06

ムクドリ

0.09

ツバメ

0.12〜0.16

離陸時や獲物を襲う時の

ツバメ

0.08

 

ツバメが低く飛ぶと雨

天気が悪く湿度が高いときには、ツバメが食べる虫は湿度上昇の影響で翅が湿って地上付近に下がってくるから。

 

ツバメの雛の餌の観察例

雛の餌は日齢に関係なく、その日に親が捕獲しやすい昆虫。

晴雨に関係なく餌が運ばれた。

地域により組成が異なり、近くで普通の昆虫を捕獲。

同じ種類の昆虫が多く発生すると、その場所に何度も通う。

アシナガバチ類がない。

市街地では羽蟻が多い。

蛾も食べる。

獲物の大きさ

最少 3mmのカマキリタマゴカツオブシムシ

最大 50mmのノシメトンボ

イワツバメもほぼ同じ。

 

 

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