カワウ

 

繁殖開始年齢

2.1±1.1

2.6±1.1

繁殖期

9月〜7

日本のような温帯の鳥は日照時間が長くなったり、

短くなったりすることで繁殖期が始まる。

これはカワウ自体が日照時間に左右されない

繁殖機能によるため。

これほど長い繁殖期間は、

雨季と乾季の変化しかない熱帯の鳥に似ている

南半球産のコクチョウは北半球の動物園でも、

(原産地の夏である)冬に繁殖する。

カワウは元々南半球産だったものが、

近年になって北半球に定住した可能性もある。

抱卵

抱卵斑がなく、卵は全蹼足の上で温める。

繁殖羽

頭部と腿部に白い羽毛が混じる。

眼の下の斑紋が黄色から紅色に変わる。

目先や喉の皮膚裸出部が黒くなる。

営巣

コロニーではそのつど好き勝手に止まって見えるが、

個体により止まる場所が決まっている。

繁殖期になると、メスは自分の止まり場を捨て、つがいの相手に選んだオスの止まり場に移り、つがいを形成する。

他のウ類と異なり、樹上に営巣。

巣造りはウ類で唯一分業。

オスが巣材運び、メスが組み立てる。

 

レンズ

人は水中眼鏡をかけなければ、水中では物が良く見えない。

これは水の屈折率と角膜の屈折率がほぼ同じで、

角膜がレンズとして機能せず、強い遠視状態になるため。

(逆に水生動物は陸上では近視となる。)

ウは人間の五倍程度の調整能力があり、

陸上でも水中でもよく見ることができる。

 

遠近調節能力(D)

(中年)

(若い)

一般の陸鳥

4

1520

1020

4050

D はdiopterの略で、レンズ焦点距離の逆数。

1D1/焦点距離1メートル

 

個体数

関東では12月から3月にかけて23割減少する。

大きさ

ウ科の中ではウミウと共に最も大きいが、

日本に分布するカワウは、最も小さい亜種(P.c.hanedae)のため、

日本ではウミウが最大。

中国のカワウ(P.c.sinensis)はウミウより大きい。

尾羽

尾で舵を取る。

水中で舵を取りやすいように、硬くて短い。

鼻孔

鼻の穴は無い。

潜水の邪魔になる。

孵化後一週間〜10日でふさがってしまう。

ウが大きな魚を丸呑みできるのは、上嘴の付け根を上に反り返らせて、嘴を7080°の角度まで開けるし、下嘴の骨を左右に広げることも可能だから。

上嘴は、先端だけを動かすことができる。

食物の逆流を防ぐトゲがないので、雛に吐き戻して与えることが容易にできる。

ペリカン目では小さく退化。

鶴や雁と違い、空を飛びながら声を出すことは無い。

四趾間に水かきがある全蹼足

柔軟な構造で細い枝を掴むこともできる。

後趾は前方にも向く。

第三趾の内側に櫛歯がある。

尾脂腺

尾脂腺からの分泌物がほとんどない。

 

日光浴

親水性が高い。

尾脂腺が未発達で、脂分の少ない羽毛が水をよく吸う。

そのため、羽毛の中に空気がたまらず、潜水しやすい。

しかし濡れた羽毛は体温保持能力が低いので、

日光浴で羽を乾かす必要がある。

飛べないコバネウも翼を広げて乾かす。

水面に浮かぶときは体が沈み、強風や荒波に影響を受けない。

 

潜水

脚を交互に蹴る。

離水

両脚で同時に水面を蹴る。

10歩前後

採餌

0.4g600gまでの魚を食べた。

水中で魚を飲み込むことができない。

そのため魚をくわえて水面に出てから飲み込む。

水槽実験では3m以上の距離があると認識できない。

それより近くても透明度が低いと認識できない。

魚を鵜呑みにする。

魚を消化するのに、強い酸性の消化液を分泌。

排出される糞も強酸性で、樹木を枯らす。

 

 

ウミウ

カワウ

雄の体重

26%重い

6.5%重い

骨盤

17cm

13cm

体色

緑がかる

茶っぽい

口角

とがる

とがらない

編隊

多くて十数羽

多いと数千羽

飛行高度

低空

高く飛ぶことも

飛翔時の翼の位置

やや後ろ

中央

 

カワウの潜水深度(冬のグリーンランド)

 

平均深度(m)

12

6

最大深度(m)

30

15

 

カワウ

 

体重(kg)

2.0

1.8

翼長

340

320

尾長

160

150

嘴峰長

66

60

 

ウミウ

 

体重(kg)

3.14

2.50

平均潜水深度(m)

15.1

7.2

最高潜水深度(m)

45

33

平均潜水時間(s)

37

24

最高潜水時間(s)

145

80

 

ウミウ

普段、陸の上は飛ばず、海の上だけしか飛ばない。

渡りでは陸の上(高い空)も飛ぶ。

 

ウ科の鳥

下面が白い種

水面近くで捕食

全身が暗色の種

深く潜水して捕食

 

ペリカン目

後趾が内側にある

 

ペリカン

下嘴から喉に袋があり、モモイロペリカンでは14リットルの水が入る大きさ。

 

ペリカン目の頚骨の数

ペリカン科

17

カツオドリ科

18

ウ科

20

 

ペリカン目のディスプレィ

 

グンカンドリ

ペリカン

カツオドリ

首曲げ

 

 

 

頭揺すり

 

 

 

上向き

飛び跳ね

翼扇ぎ

 

 

おじぎ

 

巣材提供

着陸前の鳴き声

 

カッショクペリカン

体重6kg

ダイビングする鳥では世界最大。

飛び込みの速度は最大で70km/h

水中では下の嘴が広がる。

喉の皮膚が伸び、水は10リットル入る。

水中に飛び込むとき、左に傾く。

これは食道や気管などが右にあり、衝撃を和らげるため。

20m上空から魚を探す。

 

 

アオツラカツオドリ

カツオドリ属最大

メスの嘴は緑がかる。

アカアシカツオドリ

カツオドリ属最小

白色型と褐色型がある。

巧みに潜水。

グンカンドリ

水かきは非常に小さい。

水かきの切れ込みが深い(欠全蹼足)

第四趾は前にも外にも動く。

羽の撥水性が弱いので水面には降りない。

 

鵜飼

ウは状体細胞が多く、暗くても良く見える。

鵜飼のウは松明だけの灯りの中、暗い水中で魚を獲ることができる

日本

 

中国

ウミウ

鵜の種類

カワウ(シナカワウ)

つなぎウ

綱の有無

放しウ

時間

魚種

多種

観光

産業

漁業

養殖できない

その都度捕獲

養殖

養殖できる

(鶏に孵化させる)

ウは元々安産の霊力を持った神聖な鳥とされていた。

そのため、鵜飼は宗教的な儀式と結びついて発達した。

首に紐の付いた鵜の埴輪が5世紀にみられ、飼育されていた。

7世紀には世界最古である鵜飼の記録が文献中にみられる

日本で鵜飼にはウミウを使う

ウミウの方が首が太い。

ウミウの方がおとなしい。

中国ではウミウよりカワウの方が大きい。

カワウの日本産亜種は翼長311340mm

中国産亜種のシナカワウは 344373mm

ウミウは312350mm

オスのほうが大きいので、中国では主にオスを使う。

中国の鵜飼ではウに縄を付けない。

かつて諏訪湖には放し鵜飼があった。

つなぎ鵜飼は日本で発達した可能性がある。

最も活躍するのは1215

鵜飼漁はオランダ、イギリス、フランスでも行われている。

 

 

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