和歌wit

 

掛詞

同音異義語

ほととぎす人まつ山になくなればわれうちつけに恋ひまさりけり

紀貫之

「まつ」は「人待つ」と「松山」の掛詞

縁語

うきことを思ひつらねてかりがねのなきこそわたれ秋のよなよな

凡河内躬恒

「雁」の縁語として「つらね」「なきこそわたれ」

誹諧歌

「誹」は「そしる」、「諧」は「おどけ」

梅の花見にこそきつれ鶯のひとくひとくといひしもをる

よみ人知らず

鶯の声を「ピーチク」と聞き、それを「人来(ひとく)」としている。

物名

ある言葉を隠して詠み込む技巧

来べきほど時すぎぬれや待ちわびて鳴くなる声の人をとよむる

藤原敏行

本来やって来る季節を過ぎてしまったからだろう。

待ちかねてやっと飛んできた鳥の声に、人は感嘆の声をあげた

 

ほととぎす

難波津はくらめにのみぞ舟は着く朝の風のさだめなければ

藤原輔相

つばくらめ

もみぢ葉に衣の色はしみにけり秋の山からめぐり来し間に

拾遺集

やまがらめ

わが心怪しく仇に春くればはなにつくみと爭でなりけむ

拾遺和歌集

つぐみ

咲く花に思付くみの味氣なさ身に疾病のいるもしらずて

つぐみ

岸のをどりをるべき所あらば憂に死せぬ身は投つべし

雉のをとり

わたつみのに波にまがへる浮舟は寄る岸なくて悲しかるらむ

藤原相如

夜、雉鳴く

鶯の巣作る枝を折りつればこをばいかでか生まむとす覧

拾遺和歌集

紅梅

今いくか春しなければ鶯もものはながめて思ふべらなり

紀貫之

すもものはな

鳴く聲はあまたすれ共鶯にまさる鳥のはなく杜ありけれ

さるとりの花

箸鷹のをぎゑにせむと搆たるおしあゆがすな鼠とるべく

おしあゆ

かりにきつる憂き身もすべてをしからずたが影をかはとどめもおきし

頓阿

雁 鶴 鵜 鵙 鴛 烏 鷹 鶏(かけ) 鳩 雉

うかりつる世はをしからすそむきしも都こひしきときは有けり

鶉衣拾遺

鵜 雁 鶴 鴛 烏 雉 五位 鴫 鴇 水札

狩の時山から集ひ出づる身は、研ぎし矢先の危ふからずや

笹麿

雁 鴇 山雀 鳶 鶴 鳩 雉 鶯 鵜 鴉

 (躑躅花)

雁がねに思ひかけつつしのばなむ天つ空なるわが身なりとも

貞文

鶯の声なつかしく鳴きつるはのちも恋ひつつしのばなむとか

(歌人名欠)

 (かぞへ歌)

さく花におもひつくみのあぢきなさ身にいたつきのいるもしらずて

大伴墨主

ツグミ あぢ(トモエガモ) たず(ツル) いたつき(矢尻の一種)

連歌

かも川をつる脛にても渡るかな

賀茂川を脛をむき出して渡っている (鴨、鶴と鳥二種)

頼綱朝臣

かり袴をばをしと思ひて

狩袴が濡れると惜しいと思うので (雁、鴛と鳥二種)

信綱

 (滑稽問答)

鳥と見つるはうさぎなりけり

鳥かと思えば兎(鵜・鷺)だった

六波羅別当

木の実かとかきはまぐりも聞ゆれど

牡蠣や蛤も、柿、はま栗と木の実のように聞こえる

短連歌

雨降ればきじもしとどになりにけり

雨が降ったので、雉がぐっしょりと濡れ、鵐になってしまった

かささぎならばかからましやは

鵲であったら、笠が付いているから雨がかからないだろうか

折句

特定の場所に配置された文字を拾っていくと意味のある言葉になるもの。

路よりかりがねぞゆなるとな鳴きそののめの月

後鳥羽上皇

こはきよし=小萩よし

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よふと

だなほあか

くべき

のおとづれ

つほととぎ

粽五把もてはやす

なぞなぞ

「なぞなぞ 名乗り人だのめなるもの」

頼めつつなつく夜もなしほととぎす語らふことのあらばこそあらめ

「答え ほととぎす」

なぞだて

義朝はよしなき父のくびをとりゆみとりながらゆみをすてけり

後奈良院

解は「友千鳥」

「義朝(よしとも)」の「義なき」で、「とも

「父(ちち)」の「首を取り」で「

「弓取り(弓とり)」から「弓を捨て」て「とり

内侍の上の衣、殿上人の下襲

後奈良院

解は「しとと」

鷹心有りて、鳥を獲る

後奈良院

解は「鷹」

助詞不使用

ほととぎすいま来鳴きそむあやめぐさかづらくまでに離るる日あらめや

万葉集

回文

水いずみ 鴨かるがもか 鷺秋沙 雁と千鳥が つれづれつ 

 鷸なほ鳴きし 羽がきか音は

みずいずみ かもかるがもか さぎあきさ かりとちどりが つれづれつ

 しぎなほなきし はねがきかねは

 

 

 

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