和名

 

日本鳥学会が目録を発行し、和名を統一しているので、図鑑ごとの違いはほとんどない。

植物図鑑などでは、図鑑によりバラバラ。

アイサ

奈良時代からアキサ(秋沙)

室町時代からアイサとも呼ばれる。

江戸時代からウミアイサ、カハアイサ、ミコアイサに区別。

この鳥が来ると秋が終わり、冬になるので『秋去り』から。

秋早くに訪れることから『秋早(あきさ)』、転じてアイサ。

アイサン 白黒の美しい鳥

ウク(浮く)

ウム(産む)

オフ()の転

ウヲ()を好む

ウヲカヅク(魚潜)

()ヲ ノ()ミの下略

『ウッ』と魚を呑み込むから。

 

奈良時代から「カモ」

浮かぶ→うかむ→かむ→かも

カモドリが成語で、浮ブ鳥、浮ム鳥の略転

カム(頭群)

波をカウヴル

頭の青が、藻をカフリタルよう

月草の青い花が鴨の頭に似るので、クサミヨの反

雁が元で、古語では語頭を濁る事を好まなかったので、

がん→かむ→かも

(雁の語源は鳴き声から)

万葉集ではカマという。

カマはかましい。群れて声高に騒ぐ鳥。

水中で足を掻くので、『がく』の略

奈良時代から「かまめ」「カモメ」

平安時代から「カモメ」

若鳥には褐色の斑があり、篭の目のように見えるから。

かごめ→かもめ

万葉集ではカマメといった。

カマはかましい(囂しい)古語の義。

はスズメ、ツバメと同じく親愛称。

古名は鴨妻と書き、鴨に似て少し小さな鳥。

鴨の女っぽいものという意味で鴨女かも、め

鴨群(かもむめ)で水鳥をさす鴨が群れている。

飛ぶ姿がに似ていることからカマメの名が付いた。

春には北に帰るので帰り(かへり)→かり

韓国語でカルメギ

カラ       

カラはよく囀る小鳥の総称。

雀をクラと呼ぶ

カルの変化。身軽な様子。

カラ類は混群となることが多いので、同胞(はらから)

カラス

奈良時代から「カラス」

鎌倉時代から「やまがらす」「さとがらす」に分かれる

江戸時代から「ハシブトガラス」「ハシボソガラス」「ミヤマガラス」

「黒し」「す(鳥を示す接尾語)

満州語でkaraは黒馬、黒犬

「ころく」という声から

カラスの英名crowは鳴き声から

草木を枯らすところから

反哺の意でカヘリス(反為)の転

夜明けに鳴いて、人をウカラカスから。

カリ

カリカリと鳴く声から。

春には北に帰るので帰り(かへり)→かり

ガン

奈良時代から「かり」「かりがね」

安土桃山時代から「かり」「かりがね」「ガン」

江戸時代から「ガン」

グワーンと鳴くから。

(カリと鳴くカリガネが減り、ガンと鳴くマガンが増えた)

漢語の雁から。

本来は『かり』、語調を強めるため『がん』になった。

キツツキ

平安時代から「てらつつき」

室町時代から「けらつつき」とも

江戸時代から「きつつき」「けら」

テラは『取(とら)

テラツツキはつついて虫を取る

テラツツキ→ケラツツキ→ケツツキ→キツツキ→(ケラ)

アオゲラと想像される。

『ケ』、『テ』は鳴き声や木を突付く音から

ケラ

昆虫(虫けら)を突き食べるためケラツツキ→ケラ

声が騒がしいのでサヤギ()

白い色のサヤケキ(鮮明)、サヤギ()

白いサギを『サギ』と呼んだ。

白くてイサギヨキ()

サケ(白毛)。サはシラの反、シラゲドリ(白毛鳥)

白い意のシラゲリの反

美しい冠羽の細毛(サケ)から

シギ

奈良時代からシギ

羽をシゴくのでシゴキが転じた

しきりに羽ばたくので、シキリが転じた

しきりに羽ばたくので、動詞シク()の連用形の重複シキシキのつづまった形。

騒ぎ(さやぎ)から

羽音の繁きに由来

ハシナガキ(嘴長)

サキクヒの反

サビシキの略

敷く波などが後から後から寄せる

繁き。後から後から追いついて前の物に重なる

「羽振き鳴く」様子が「繁々しい」ため。

それが変化して、シギになった。

ジシギ

日本で繁殖する『地』の鳥(オオジシギ)       

地上にいることの多い鴫。

シャクシギ

柄杓の柄のような長い嘴。

ハリモモチュウシャクはシギと付かないが、間違えている文献も多い。

シラサギ

ウサギ、ワカサギのサギと同様で、『精(シラ)ゲ』が、

サゲ→サギと転じた。

純白の意。

セキレイ

室町時代から「セキレイ」「いしたたき」。特にキセキレイ

漢名の鶺鴒を音読みにした。

鶺は背(せき)

鴒は令で、冷たく澄んでいること。

尾を上下に振り、『尾羽が石にお辞儀をしている』

ように見えるから、をする。

センニュウ

仙入

草むらに潜入している鳥

仙遊

仙人となって自由自在に飛び歩く

『敏捿である、すばしこい』ことを憲(しぃえん)

『恥ずかしがる、はにかみや、内気』を忸(にゅう)

人に中々姿を見せないので、『敏捿で内気な鳥』。

『エゾ』も『シマ』も北海道のこと

猛き鳥から

高く飛ぶ

ツマカタ(爪堅)の反

ツメイカ(爪厳)

凡鳥でないところからケタカシの義

手飼鳥(タカドリ)から

千鳥

チヨチヨ、チンチンという鳴き声から

千羽単位の群れがたくさんいるのでチヂドリ(千々鳥)

チガヘドリ(交鳥)(差鳥)

古くは口語でツル、文語で田鶴(タヅ)と言った。

鶴は鴻(コウ)を含めた広義の名だったので、特に田鶴と限定した。

富山では鶴も蔓もツリと言う。

蔓の原義は『細り、筋』だが、鶴も同趣旨でほっそりした鳥。

連なって(つるんで)飛ぶ

連なり飛ぶので、ツラナル

諸鳥に優れるので、スグルの略転

諸鳥に優れ丈高く立つので、タツ、ラクの反

つるむ(交尾)に由来。

鳴き声のクルルルから

朝鮮語のトゥルミから

飛翔(びかけ)の中略。

『と』は『上に登る』と言う意味の登(とん)や、『空中に上がる』と言う意味の騰(とん)から。

『り』は飛び立って地上を離れるので離()のこと。

朝鮮語の鶏(talkタッ)から。

白鳥

古くからシラトリとも呼ばれていた。

安土桃山時代からハクチョウ。

白鳥の音読み。

ハヤトリ(速鳥)を略してハト。

いつも二羽が離れず八の形をなすところから。

鳴き声から

羽音のハタハタから。

ヒタキ

火の焼けるように赤味の色があるから「火焚」ジョウビタキ

石叩きからの訛り

声が火打石を叩く音に似る。ジョウビタキ

ヒワ

小さく繊細なこと、古語『ひわやか』から。

弱いことをヒワヒワシというところから、弱鳥

ヒワヅ

『ひ弱』から

篭で飼うとすぐに死んでしまうことが多い。

ハシハヤの反、嘴の先の速いところから

マヒワの鳴き声ビインビワンから。

マシコ

猿子と書き、猿の古名(まし)に由来。

猿の顔のように赤い羽色。

ミミズク

奈良時代から「つく」 羽角が付く、突き出ている

平安時代から「みみつく」

江戸時代から「みみずく」

ツクは本来フクロウの一名。

八丈島ではフクロウをツクと言う。

アオバズクには耳羽がないが、それでもツクと呼ぶのはそのため。

フクロウの鳴き声をツクグルホーコーとも聞くが、

そのツクグルという声を略してツク。

耳付

耳突

ミミツク(耳鳥)

ムシクイ

見た目は似ているが、囀りが異なっている()

ヨシキリ

室町時代から「よしすずめ」

安土桃山時代から「よしどり」「よしはらすずめ」「あしすずめ」

江戸時代前期から「よしきり」

江戸時代中期から「おほよしきり」と「コヨシキリ」

ヨシクグリ(葦潜)

葦を裂くような鳴き声の漢語、剖葦から

ヨシの葉を切り裂いて中の虫を食べるから。

レンジャク

平安時代からレンジャク

江戸時代中期からヒレンジャクとキレンジャクに区別。

連尺は物を背負うための背負子。

この連尺を担ぎ各地を往来する行商が渡り鳥のようだから。

悪い鳥なのでアシ(悪し)から。

強引に物を奪う悪鳥

走ることをワルシとも言った。

強力な飛翔力で群鳥を追い詰め捕らえるところから、

()シノ鳥の意。

自分の羽の素晴らしさを知っているところから、ワサシリの反。ワサは姿。シリは知る。

動作が敏捷であるところから、ハシ()の義。

動物は皆強い者に殺されるが、鷲は敵無しであるところから、ワシ(我死)

ヲソロシ()の略転

ウヱハミサシ(飢喰嘴)

輪過ぎ(輪を描いて空を過ぐる)→わす→わし

車輪のように飛ぶことをワシ(輪如)というから。

 

あお

元々日本の色表現は、

『あか()』『くろ()』『しろ()』『あお()』の四種だけ。

頭に『まっ』を付けられるのはこの四種だけ。

後ろにそのまま『い』を付けて形容詞となる色はこの四種だけ。

四種以外は、他から借用した『○○の色』

赤、黒、白以外の漠然とした色は全て『あお』

黄色い雌のイスカはアオイスカと呼ばれた。

信号の『青』はgreen

鳥の名前では、緑はアオ

青はルリと付けられるものが多い。

果実などが未熟な状態を『あおい』と呼ぶ。

黄色〜緑色にかけての色。

くすんだ青、顔面蒼白など、鮮やかでない青い色。

目立たぬ色、灰色も含む

()+接尾語のス

オスがなぜ尾なのかは、「交尾する」という語があること。

目を掛けるもの、愛()ずべきものを表す語根メ()に小動物への愛称の接尾語スを付けたもの。

ヒヒと鳴く。

住むの語根スが名詞に転じた語。

鶏冠

トリサカ→トッサカ→トサカ

サカは赤い色から栄。

花咲じじいのサカ。鳥の頭上にザクロの花が咲いているかのように開いているのが、サカ()

連羽(ツラハ)

強羽総(ツバフサ)

鳥総(トブサ)

鳥羽総

(フサ)は多くのものが房のように集まっているさま。

口箸

口端

 

シマ

(特定の限られた地域)

(縞模様)

シマアオジ

シマゴマ

シマセンニュウ

シマノジコ

シマフクロウ

シマアジ

シマクイナ

 

マダラ

ウズラ

タカシギ

トラズク

ゴマスズメ

マダラフルマカモメ

マダラシロハラミズナギドリ

マダラチュウヒ

マダラウミスズメ

マダラヒタキ

トラシジミ

アカボシゴマダラ

アカマダラ

アサギマダラ

アサヒナキマダラセセリ

ウスコモンマダラ

ウラゴマダラシジミ

オオゴマダラ

カバマダラ

マダラセセリ

マダラモドキ

コキマダラセセリ

マダラチョウ

スジグロカバマダラ

タイワンアサギマダラ

タイワンキマダラ

タカネキマダラセセリ

チャマダラセセリ

ヒメアサギマダラ

ヒメキマダラセセリ

ヒメキマダラヒカゲ

ヒメチャマダラセセリ

ヤマキマダラヒカゲ

リュウキュウアサギマダラ

蝶ではホシやモンが多い

蝶ではマダラは先頭に付かない。

 

ダイ

オオ

ダイサギ

ダイシャクシギ

ダイゼン

オオアカゲラ

オオアジサシ

オオカラモズ

オオキアシシギ

オオクイナ

オオグンカンドリ

オオコノハズク

オオジシギ

オオジュリン

オオズグロカモメ

オオセッカ

オオソリハシシギ

オオタカ

オオチドリ

オオトウゾクカモメ

オオノスリ

オオハクチョウ

オオハシシギ

オオハム

オオバン

(オオヒシクイ)

オオホシハジロ

オオマシコ

オオミズナギドリ

オオメダイチドリ

オオモズ

オオヨシキリ

オオヨシゴイ

オオルリ

オオワシ

ヒメ

コアオアシシギ

コアカゲラ

コアジサシ

コアホウドリ

コイカル

コウミスズメ

コオバシギ

コガモ

コガラ

コキアシシギ

コグンカンドリ

コケワタガモ

コゲラ

コサギ

コサメビタキ

コシギ

コシャクシギ

コジュケイ

コジュリン

コスズガモ

コチドリ

コチョウゲンボウ

コノドジロムシクイ

コハクチョウ

コバシチドリ

コヒバリ

コベニヒワ

コホオアカ

コマミジロタヒバリ

コミミズク

コムクドリ

コモンシギ

コヨシキリ

コルリ

ヒメアマツバメ

ヒメイソヒヨ

ヒメウ

ヒメウズラシギ

ヒメウミスズメ

ヒメカモメ

ヒメクイナ

ヒメクビワカモメ

ヒメクロアジサシ

ヒメクロウミツバメ

ヒメコウテンシ

ヒメシロハラミズナギドリ

ヒメチョウゲンボウ

ヒメノガン

ヒメハジロ

ヒメハマシギ

ヒメモリバト

 

 

省略

非省略

アメリカヒドリ

 

クビワキンクロ

ビロードキンクロ

アラナミキンクロ

 

ササゴイ 他

 

ナベコウ

 

ノゴマ

シマゴマ

オガワコマドリ

ヨーロッパコマドリ

ハリモモチュウシャク

シロハラチュウシャクシギ

ヒメイソヒヨ

コシジロイソヒヨドリ

 

シロ

シラ

ハク

シロアジサシ

シロエリオオハム

シロガシラ

シロカモメ

シロチドリ

シロハヤブサ

シロハラ

シロハラアカアシミズナギドリ

シロハラクイナ

シロハラチュウシャクシギ

シロハラトウゾクカモメ

シロハラホオジロ

シロハラミズナギドリ

シロビタイジョウビタキ

シロフクロウ

頬白

羽白

嘴白

大白腹

変白腹

腰白

眉白

尾白

肩白

喉白

目白

背白

シラオネッタイチョウ

シラガホオジロ

シラコバト

シラヒゲウミツバメ

カラシラサギ

ハクガン

ハクセキレイ

ハクトウワシ

コハクチョウ

オオハクチョウ

ナキハクチョウ

クロ

コク

クロアゴヒメアオバト

クロアシアホウドリ

クロアジサシ

クロウタドリ

クロウミツバメ

クロエリヒタキ

クロガモ

クロコシジロウミツバメ

クロサギ

クロジ

クロジョウビタキ

クロツグミ

クロツラヘラサギ

クロヅル

クロトウゾクカモメ

クロトキ

クロノビタキ

クロハゲワシ

クロハラアジサシ

嘴黒

金黒

羽黒

姫黒

尾黒

頭黒

背黒

襟黒

肩黒

目黒

コクガン

コクマルガラス

ニシコクマルガラス

 

 

 

ニワトリ

『庭の鳥』のニハツトリから連帯助詞のツが落ちて変化した語。

羽が赤褐色であったため、

『丹色(にいろ)の羽をした鳥』→『丹羽鳥(にわとり)

ノツトリ(野つ鳥)

野生の鳥

トブサ(鳥総)から

口 箸から

けづめ

蹴り爪

住むから。

かつては人の住処(すみか)も巣と呼んでいた。

とさか

とりさか(鳥冠)の略

とぶところから

びかけ(飛翔)の中略

古く使いとして用いられたところからタヨリ(便り)の義

アイヌ語のChiriから

朝鮮語のtalk(tark)から

ひな

ヒヒと鳴くところから

 

異物同名

アオサギ

魚類 ダツ科 テンジクダツの別名

アオサギ

貝類 ニッコウガイ科

アオジ

魚類 ネズミザメ科 アオザメの別名

アオジ

魚類 サヨリの古名

アカハラ

魚類 コイ科ウグイの婚姻色

魚類 コイ科マルタの別名

アカデミック・ハラスメントの略

教授が地位を利用して学生に嫌がらせを行うこと。

アマサギ

魚類 シラウオ科シラウオの別名

魚類 ワカサギの異名

ウミスズメ

魚類 ハコフグ科

オオアカハラ

甲殻類 カニダマシ科(ヤドカリに近い)

オナガ

魚類 フエダイ科ハマダイの別名

カラス

魚類 フグ科

カラス

魚類 アナゴ科クロアナゴの別名

魚類 カレイ科ソウハチの別名

魚類 カラスザメ科フジクジラの別名

魚類 タカノハダイ科ミギマキの別名

魚類 タカノハダ科ユウダチカノハの別名

クロサギ

魚類 スズキ目クロサギ科

クロヅル

植物 ニシキギ科

ゴイサギ

貝類 ニッコウガイ科

コミミズク

昆虫 ヨコバイ科

サザナミスズメ

蛾 スズメガ科 (鳥はスズメ目カエデチョウ科)

シジュウカラ

魚類 ブダイ科

シマアジ

魚類 スズキ目アジ科

シャコ

節足動物 甲殻類 シャコ目 蝦蛄

鳥類 キジ科 ヤマウズラ属 イワシャコ 鷓鴣

ツミ

貝類 エゾバイ科巻貝の総称ツブの別名

トンビ

魚類 カスザメ科 カスザメの別名

魚類 サバ科 ビンナガの別名

ホトトギス

植物 ユリ科

貝類 イガイ類 (ホトトギスガイ)

ミミズク

昆虫 ヨコバイ科

ミヤコドリ

貝類 ユキスズメ科

ムラサキツバメ

蝶 シジミチョウ科

メジロ

魚類 出世魚ブリ 関西でツバス→ハマチ→メジロ→ブリ

モズ

魚類 アイナメ科 クジメの別名

ヤツガシラ

植物 サトイモ科

ヤマドリ

魚類 スズキ目ネズッポ科

ヨシキリ

魚類 メジロザメ科 ヨシキリザメの別名

 

 

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