有毒植物

 

三大有毒植物

トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギ

アサガオ

元々、日本には薬としてきた。

種子にファルビチンを含み、下痢を引き起こす。

アジサイ

青酸配糖体が含まれるという説が根強いが、ウンベリフェロンだったことが証明されている。

アンズ

遊離シアンは種子100g100200mg含まれ、最少致死量は50mg

アミグダリンは種子の3%分含まれる。

イチイ

英語の毒素toxinはイチイから。

タキソールを含む。

タキソールは細胞分裂を妨げる。

がん細胞は健康な細胞より頻繁に細胞分裂を繰り返すので、タキソールはがん細胞を優先的に攻撃する。

葉に含まれるタキシンは4%

致死量は体重50kgの人で0.25g

果肉は甘くておいしいが、種子は有毒。

種子34粒で死ぬ

イチョウ

銀杏を食べすぎると中毒を起こす。

年齢の数まで。

フェノール性化合物を含む。

銀杏中毒者の30%が命を落としている。

イヌサフラン

ギョウジャニンニクに似る。

球根にはコルヒチンが含まれ、致死量16mg

12球で死ぬ。

葉では10g

ウメ

未熟な果実には青酸配糖体を含む。

梅酒や梅干しでは青酸配糖体が消失する。

遊離シアンは種子100g中に100200mg含まれ、50mgが人への最少致死量。

ウルシ

ウルシオールを含む。

花粉症などと同じで、アレルギー。

ウルシに毒性があるというわけではない。

一本のウルシの木から採れる樹液は200g

カシューナッツ、マンゴーもウルシ科で、かぶれる人がいる。

オモト

強心配糖体を含む。

心臓に良いと勘違いして煎じて飲んだ夫婦が中毒死した例がある。

キョウチクトウ

オレアンドリンの致死量は体重1kgに対して0.3mg

体重60kgの人で18mg

4gで自殺した例がある。

串の代わりに生枝を使い、7人が死んだ例がある。

燃やした煙も有毒。

ゲルセミウム・

 エレガンス

最強の植物毒。青酸カリより強い。

ゲルセミシンの致死量は体重1kgに対して0.05mg

60kgの人で3mg

葉っぱ三枚とコップ一杯の水で死ぬ、との言い伝えがある。

コカノキ

コカインの致死量は口からでは11.5g、注射で0.20.5g

コカコーラは、当初コカインが入っていた。

コンフリー

全草に肝臓障害を引き起こす可能性のあるアルカロイドを含み、現在、日本では食用禁止。

ジギタリス

不整脈に効果があるが、普通の人が摂取すると不整脈になる。

治療域と中毒域が近い。

シキミ

土葬が一般的で、犬が掘り起こさないよう、臭いの強いシキミを植えた。

果実がトウシキミの八角に似て、誤食が多い。

スパイシーで、良い香り。炒ると香ばしい香り。

渋味や苦味がなく美味しい。焼き栗のよう。

植物としては唯一劇物に指定されている。

抽出されたエキスだけでなく、植物自体が危険。

LD50=1mg/kg

ジャガイモ

日本で、高等植物による食中毒で患者数が一番多いのはジャガイモ。

死亡例あり。

ソラニンは、普通の調理温度では、毒性はほとんど消えない。

スイセン

鱗茎に毒が多く、致死量は10g

スズラン

コンバラトキシンの致死量は体重60kgの人で18mg

LD50=0.3mg/kg

スズランをたくさん差しておいたコップの水を飲んだ子供が死亡した例がある。

ストロファンツス

矢毒として利用され、象も数秒で死ぬ。

血管に入った場合に毒性を発揮するので、食べても平気。

センニンソウ

葉や茎を切断すると出る汁が有毒。

触れるとかぶれや皮膚炎を起こす。

雨の日に花粉が皮膚についても皮膚炎を起こす。

ラヌンクリンが有毒のプロトアネモニンになる。

ソテツ

種子にはデンプンが多く、飢饉のときに、あく抜きして食用とする地域もあるが、あく抜きが不十分で中毒する人も。

サイカシンは体内に入り酸で分解されホルマリンになる。

サイカシンは発がん性もある。

ソバ

ソバを食べた後日光に当たると口がヒリヒリすることがある、ソバに含まれるファゴピリンが、光化学反応を起こすため。

タバコ

ニコチンの致死量は30100mg

ニコチンの含有量は、マイルドセブン0.8mg、ハイライト1.6mg、ショートピース2.7g

煙草を吸っても死なないのは、ニコチンは燃えてしまえば毒性が100分の1以下に減少。

幼児の誤飲で2cm以上は死ぬ可能性も。

タールにはヒドラジンなどの発がん性物質が含まれる。

タマスダレ

葉がノビルに似る。

リコリンの致死量は10g 暗殺でも使われた。

ダリア

液汁には光アレルギー物質が含まれ、剪定時に汁が手に付き、日を浴びると発疹を起こす。

チョウセンアサガオ

ナスに接ぎ木して、できたナスを食べて中毒した事例あり。

トウゴマ

種子に含まれるリシンは植物毒で最強か。

リシンの致死量は0.27mg

リシニンの致死量は0.16g

ドクウツギ

果実は甘く、死亡例がある。

果実酒にしても美味しいが、コリアミルチンはアルコールに溶けやすい。

コリアミルチンの致死量は体重1kg当たり0.5mg

24gで致死量に達するという数字がある。

ドクゼリ

シクトキシンの致死量は50mg

ドクゼリの量で6gがボーダーライン。

トリカブト

毒は塊根に多い。

最少致死量は1g

(アコニチンの致死量は34mg)

苦痛は長時間で、隣同士でも毒の含有量に大きな差があり自殺には向かない。

寒冷地の方が含有量は多くなる。

日本ではエゾトリカブトの毒が一番強い。

春に多く、秋は半分以下。

解毒薬は無い。

24時間以内に死亡しているケースが多い。

それ以上生存すれば回復の可能性がある。

蜂蜜でも有毒。

薬草でもある。

フグ毒の有毒成分テトロドトキシンと逆の作用。

両方同時に飲むと、遅れて症状が現れる。

毒は時間の経過とともに変化し、毒性が弱まり、片方の毒が少なくなると、もう一方の毒の働きが現れる。

ナンテン

実を漢方薬とするが、有毒。

ニワトコ

山菜として知られるが、少量の青酸配糖体を含み、中毒を起こす場合がある。

バイケイソウ

催奇形性もあり、顔の真ん中に目が一つの羊の子が産まれたことがある。

LD50=0.4mg/kg

ハシリドコロ

眼科治療に欠かせない植物。

サリン毒の特効薬。胃腸薬、酔い止めなど。

アトロピンの致死量は100mg以上。

ハナヒリノキ

枝や葉は有毒。

くしゃみが出て、涙が止まらなくなる。

かつて汲み取り式便所のウジ殺しに用いられた。

ヒガンバナ

飢饉のときに毒抜きして食べた。

毒抜きが不十分で死者も出た。

リコリンが含まれ、LD5010,700mg致死量は10g

球根から得られるガランタミンが2011年からアルツハイマー型認知症の薬として使用されるようになった。

フクジュソウ

アドニトキシンなどを含む。

死亡例あり。

致死量は0.7mg/kgで、42mgで体重60kgの人が死亡。

マタタビ

ネコ科動物が食べると、狂乱状態になる。

マタタビラクトンにより、脳細胞を直接刺激する。

マチン

植物毒の魔王と呼ばれ、ストリキニーネを含む。

ストリキニーネの半数致死量は60mg

無色無臭なので、毒殺に使用される。

ミズバショウ

シュウ酸塩の致死量は515g

モロヘイヤ

種子には強心成分が含まれ、牛の死亡例がある。

ヨウシュヤマゴボウ

種子にはフィットラッカトキシンをふくむ。

人が誤食すると頭痛、嘔吐、下痢、意識障害。

半数致死量は一房。LD50=3mg/kg

レンゲツツジ

葉を食べた家畜の死亡例あり。

蜜も有毒。

ワラビ

牛の死亡例がある。

動物実験で100%発がんするプタキロサイドを含む。

半数致死量8mg/kg

あく抜きが必要。

欧米ではワラビを食用としない。

プタキロサイドの糖を除いた部分の構造は、ツキヨタケの毒成分イルジンSとよく似ている。

プタキロサイドは発がん性、イルジンSは制がん性。

 

アミグダリン

ウメ、アンズ

含有量はアンズ8.0%、ウメ3.2%、ビワ2.0%

青酸配糖体で、生のまま食べると酵素の作用によって加水分解され、青酸を生じる。

カフェイン

コーヒーノキ

致死量は610g

コーヒー豆には12%のカフェインが含まれる。

珈琲一杯で100mgほど。

珈琲は胃に悪いが、その成分はクロロデン。

危険性のない覚せい剤とも。

シュウ酸カルシウム

サトイモ

ミズバショウ

里芋の皮をむくとかゆくなることがある。

小さな結晶で、手に刺さり、物理的にかゆくなる。

タンニン

イボタノキ

ブナ科

昆虫を完全に撃退する効果はない。

しかし消化不良を起こさせ、食べられ過ぎないようにする。

複雑なアルカロイドに比べ生産にエネルギーがかからない。

 

過去50年の我が国の高等植物による食中毒

 

発生件数

患者数

死者数

チョウセンアサガオ類

83

307

0

バイケイソウ類

79

338

0

トリカブト類

78

218

10

ヤマゴボウ類

38

209

0

スイセン類

31

137

0

ジャガイモ

23

918

0

ハシリドコロ

16

55

0

クワズイモ

14

64

0

ドクウツギ

14

28

5

イヌサフラン

6

16

2

ジギタリス

6

7

2

ドクゼリ

6

41

1

シキミ

5

21

1

ユウガオ

5

14

0

ヒョウタン

3

21

0

 

 

 

致死量

アヘン

25g

モルヒネ

0.25g

ヘロイン

10600mg

 

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