毒
哺乳類 | 腸壁を覆う細胞から栄養素を能動的に吸収。 |
鳥類 | グルコースやアミノ酸は能動的に吸収するが、他の栄養素は能動的に細胞内へ入る流れにまかせている。 そのため、素早くエネルギーを吸収できるが、毒性物質まで無作為に吸収してしまう。 |
ヤマガラ | |
スダジイやエゴノキなど少しとがった実では、鋭端部を前にしてくわえる。 土に押し込んで、鈍端部を嘴でたたいて埋め込む。 |
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スダジイやエゴノキなどの木の実を好む。 果肉ではなく、中の種子を食べる。 |
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イチイの種子にはアルカロイドが含まれ、哺乳類には有毒だが、一部の鳥類には無毒。 ヤマガラは赤い仮種皮の部分は食べず、人には有毒な種子を食べる。 |
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エゴノキ | 名前の由来は果皮がえぐい(えごい)ことから付けられた。 葉には8〜15%のタンニンを含む。 果皮にはエゴサポニンを含む。(約10%) ヤマガラは有毒な果皮を取り除いて、中の種子を食べる。 ヤマガラは、エゴノキより毒性の低いハクウンボクをより好む。 |
イチイ | 別名アララギ 有毒成分タキシンというアルカロイドを含む。 英語のtoxin(毒素)はイチイが語源。 ヤマガラなどのカラ類、ヒヨドリも種子を食べる。 |
アルカロイド | アルカリ性を示す有機物(アルカリのようなもの)の意味。 植物毒はアルカロイドがほとんど。 薬用植物もアルカロイド。 |
カワウ |
有機塩素系化学物質(OCs)を高濃度に蓄積 |
成鳥は幼鳥よりも高濃度に蓄積 |
オスはメスより高濃度に蓄積 |
高濃度に蓄積している個体は甲状腺ホルモン濃度が低下 |
ハゲワシ | |
死肉を食べるハゲワシの行動は、鳥には免疫があるブルセラ症など家畜の病気が広がるのを防ぐうえで役立つ。 | |
動物の死体を食べ鉛を取り込み、鉛中毒となることが多い。 | |
家畜の病気治療に広く使われる抗炎症剤(ジクロフェナク)による被害が多い。 | |
ハゲワシの数が激減し、獣の死体が放置されたまま腐敗し、病気が発生するリスクが深刻になっている。 |
ドングリのタンニン含有量(乾燥重量)% | ||
ミズナラ | コナラ属 | 8.4 |
アラカシ | コナラ属 | 4.7 |
シラカシ | コナラ属 | 4.5 |
コナラ | コナラ属 | 3.9 |
アベマキ | コナラ属 | 1.3 |
クヌギ | コナラ属 | 1.3 |
イチイガシ | コナラ属 | 1.2 |
マテバシイ | マテバシイ属 | 0.5 |
スダジイ | シイ属 | 0.1 |
表皮はさらに濃厚なタンニンが含まれる |
タンニン | 温水によって抽出されるポリフェノール化合物で、塩化第二鉄によって青色を呈し、アルカロイド、ゼラチン及び他の蛋白質を沈殿させる 化合物。 |
タンニンは消化阻害や消化管損傷などの毒作用を示す。 大量に食べなければ害はほとんどない。 実験で、ネズミはミズナラのドングリを十個続けて食べると死んだ。 アカネズミはタンニンを唾液中の蛋白質で防御する。 |
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ドングリを土に埋めてもタンニンの含有量に変化は無い。 タンニンが少ないドングリはすぐに食べ、あまり埋めない。 タンニンが多いドングリはあまり食べず、埋めて、他に食べるものが無くなったときに取り出す。 |
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タンニンはドングリの上半分(とがった方)に多い。 動物はタンニンの少ない下半分(帽子の付いた方)を食べる。 胚軸は上半分にあるので、この部分が食べられなければ、発芽能力は充分ある。 |
青酸配糖体 | プルナシン、アミグダリンなど |
ピラカンサ、ウメ、サクラなどの未熟果に多く含まれる。 | |
未熟果が毒を持つのは種子が未熟なうちに食べられるのを防ぐため。 実が熟すと毒もなくなる。 栽培種では自然界でかかっていた選択圧がかからなくなり、果実は赤くなっても果肉に遅くまで青酸配糖体が残るものがある。 |
テントウムシ | 危険が迫ると脚の関節から黄色い液を分泌する。 この液の主成分はアルカロイド系。 テントウムシの目立つ模様は敵にアルカイド毒の存在を誇示する警戒色。 |
アルカロイドは植物毒。 それをアブラムシが摂取し、そのアブラムシを食べてテントウムシの体内に蓄積される。 |
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ジャコウアゲハ | 幼虫の食草であるウマノスズクサ類にはアルカロイドの一種アリストロキア酸を含む。 (アリストロキア酸は、唯一ウマノスズクサ類だけに含まれる) この毒は一生を通して体内に残る。 |
アサギマダラ | 幼虫の食草であるガガイモ科植物はアルカロイドを含む。 成虫がよく吸蜜するヒヨドリバナ、フジバカマは蜜にアルカロイドを含む。 アサギマダラはこれらのアルカロイドを体内に取り込み敵から身を守る。 |
ドクガ | ドクガ類の毒にはプロテアーゼ、エステラーゼ、キニノガナーゼ、ホスホリパーゼA2、ヒスタミンなどが含まれる。 |
イラガ | ヒスタミン、蛋白性発痛物質。 |
カバキコマチグモ | カテコールアミン、セロトニンなどの神経毒。 |
ヒキガエル | ブフォトキシンなどの強心ステロイド。 ガマの油 強心、鎮痛、解毒剤として利用される漢薬、センソの成分。 |
鉛中毒 | 酵素の働きを阻害 神経系が侵される |
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哺乳類は鉛を飲み込んでも消化に砂のうを使わないので簡単には中毒に ならないが、鳥類は消化に砂のうを使うので鉛中毒になりやすい。 |
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鳥類は哺乳類より体温が高いので鉛中毒になりやすい。 | ||
水鳥 | 鉛銃弾を小石と間違えて飲み込む 100羽のオオハクチョウの調査で、鉛の散弾を持つ個体が10羽。 |
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猛禽類 | 鉛ライフル銃で撃たれたシカを食べて鉛を取り込む |
重金属 | カドミウム | 換羽による影響を受けないので、鳥体中の濃度は年齢と共に上昇する。 |
水銀 | 換羽による排泄のため、年齢蓄積がない。 筋肉などに蓄積された有機水銀は、換羽時に生じる羽への血流によって 羽に運ばれる。 |
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必須金属 | 鉄、銅、亜鉛などはホメオスタシスのため、濃度は一定。 |
農薬 |
殺虫剤などを散布することを『消毒』と言ったりするが、 『毒を消す』わけではなく、毒を加える行為。 |
メトミル(農薬成分名メソミル) | |
ハト | LD50 10mg/kg 0.01gで半数以上が死亡 |
犬 | LD50 20mg/kg |
フェニトロチオン | |
有機リン、有機硫黄系殺虫剤として農耕地、街路樹の他家庭用殺虫剤としても使用。 | |
コリンウズラ | 急性経口毒性値23.6mg/kg |
マガモ | 急性経口毒性値1,190mg/kg |
キジ類に高度に有毒、水鳥に毒性が低い |
フェンチオン(MPP) | ||
有機リン系殺虫剤 鳥類に対して非常に高い毒性を持つ。 海外では殺鳥剤として使われた歴史がある。 現在、欧米諸国では使用が中止、もしくは大幅に制限されているが、 日本では使用され続けている。 |
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経口半数致死量(mg/体重kg) | ラット | 215 |
鶏 | 28 | |
鶉 | 11 | |
アヒル | 6 | |
ホシムクドリ | 4.2〜7.5 | |
イエスズメ | 5.4 |
雑食性の鳥は、食物が限定的な鳥より有毒食物に出会う確率が高い。 |
クロウタドリ、ホシムクドリを使った実験では、有毒物質のアルカロイドや アトロピンに対する耐性は人の1,000倍の高さ。 |
家庭用殺虫剤に使用されているピレスロイド系の場合、温血動物に対しては 安全性が高いとされている。 これは温血動物がピレスロイドの代謝酵素を持つことによる。 |
オウム類 | 解毒作用を持つミネラルを含む粘土を食べる。 粘土に含まれるカオペクテートは人の胃の不調も和らげる。 |
表紙 |
鳥へぇ |